GMが「全モデルEV化」宣言、2兆円以上を2025年までに投資

ゼネラルモーターズ会長兼CEO メアリー・バーラ(Getty Images)

米ゼネラルモーターズ(GM)は3月4日、EV(電気自動車)向けの新たなバッテリーアーキテクチャ「Ultium(アルティウム)」を発表した。GMはアルティウムを軸に、フレキシブルな次世代EV(電気自動車)向けの製造基盤を整備し、EVの市場投入を加速させていく。

GMは、2020年代末までにキャデラックの新型車のほとんどをEV化させるという。さらに、2021年夏には2022年モデルのシボレー「ボルトEUV」を発表し、アルティウムバッテリー搭載の「ハマーEV(GMC HUMMER EV)」の生産を2021年秋から開始する。

ボルトEUVはキャデラックブランド以外では初めて、GMの高速道路用ハンズフリー運転支援システム「スーパークルーズ」を搭載するモデルとなる。

4日の発表でGMの会長兼CEOメアリー・バーラは、全車種の電動化を進めていくと宣言し、「2020年から2025年にかけて、EV及び自動運転テクノロジーに200億ドル(約2兆円)以上の資金を注ぐ」と発表した。年間の出資額は30億ドル以上に及ぶことになる。

バーラは、2020年代の中盤までにGMが年間100万台以上のEVをコア市場の北米と中国で販売する計画だと述べた。

この計画の根幹を支えるのが韓国のLG化学とのジョイントベンチャーで開発した、新型のアルティウムバッテリーだ。アルティウムは、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができるもので、各車両のデザインに応じてバッテリーの仕様を最適化できる。

GMによると、アルティウムの航続距離はフル充電で最大400マイル以上で、0〜60mph加速は3秒以内という。アルティウムバッテリーの製造に向け、GMとLG化学は23億ドルを投じてオハイオ州に工場を建設した。

GMは今年1月にロボットタクシー向けの活用を想定した自動運転車「オリジン」を発表したが、この車両が同社初のアルティウムバッテリー搭載モデルとなっていた。

GMは4月から5月にかけて、アルティウムを搭載するラグジュアリーSUVの「キャデラック リリック(Lyriq)」や「ハマーEV(GMC HUMMER EV)」の公開を予定している。

編集=上田裕資

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