サンダースは「社会主義」の再定義に成功 資本主義支持の若者は4割

バーニー・サンダース上院議員(Getty Images)


レッキの仲間たちも、社会主義を支持する理由として、「無料で保障された医療」「授業料が無料の大学」「気候変動への対応」を挙げている。産業の国有化や富の没収を挙げる人はほぼいない。

「ソビエト連邦型の社会主義」の記憶を持たないこうした若者たちが「社会主義」という言葉を受け入れるようになった理由のひとつには、サンダースが過去5年間において、その意味を巧みに再定義してきたことがある。

そしてまた、30歳未満の若者たちが現在の資本主義に懐疑的であることも、理由のひとつだ。金融危機の後に成人し、富の不平等がまん延するなかで、過去に例のない多額の学生ローンを抱えて大学を卒業したこの世代は、何か別の新しいものを求めている。

グーグルの危機対応・人道援助部門を率いるアレクサンダー・ディアス(30歳未満の30人の1人)は、「新しい社会契約のようなものに賛同する市民は、より多くなっていくだろう」と指摘する。

一方、チャットボットを通じた大学生向けの支援サービスを行うエドサイト(EdSights)の共同創業者である前出のレッキは、自身のビジネスを通して「Z世代がいかにつながり合っているか」を実感しているという。

「Z世代は、自分が属するコミュニティーをより良くすることはリーダーひとりに任せることではなく、メンバー全員が負うべき責任だと考えている…それは、職場、家庭、そして政治のいずれにおいても同じだ」

サンダースは若者たちの間に広まるこうした集産主義によって、自らを「テフロン(批判されても傷つかない)政治家」に変えてきたのだ。

編集=木内涼子

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