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2020.03.10

「誰もが平等にサッカー選手を目指せるように」──ブラジル出身の起業家が描く、動画で夢を叶える世界


グローバルなプラットフォームを目指す 「発掘とマネジメントの両軸」


日本には部活動、そしてクラブユースとサッカーの育成環境は整っている。そのため日本を市場として捉えていくにはまだまだハードルはある。

だが海外クラブと提携をして、そのユースやU-23世代をアジアへ紹介する権利を得ている。その代表的なのがクラブワールドカップを2度制覇しているブラジルのSCコリンチャンス・パウリスタだ。1月末にはU-23世代が来日し、沖縄でJクラブとも練習試合を数多く行った。

海外では育成をした選手達をトップチームで起用しきれないという課題を抱えている。スタメンから漏れてしまったけれども実力ある選手達を送り込む市場としてアジアは魅力的だ。ITを活用することで資金が豊富なアジア各国を巻き込んで良い循環を生み出すことを目論む。

dreamstockは、現在ブラジルを中心に37クラブとパートナーシップを結び、今後は選手を獲得する側としてJクラブとの関係を構築していくことも目指す。南米のチームで漏れた選手達と外国人選手獲得を目指すアジアのクラブのマッチングビジネスも新たな事業として開発していく予定だ。

「dreamstockで発掘した選手を、コリンチャンスみたいな名門クラブなどの下部組織に入れて、彼らが育ちそのままトップチームで活躍することが行くことがベストです。ですが、そこに行けない選手を違うマーケットに当てられる一貫したサービスを提供したいと思っています。」

このdreamstockがもたらす信用性はエージェントという仕事の曖昧さがあるブラジルでは効果的だ。仲介料目当てに資格なく、なんちゃってを演じるエージェントが多い事情もある。法人が選手のキャリアを設計して、マネジメントすることが選手達の親、クラブチームから信頼を得ていて口コミで広がっている。

「アプリで発掘した選手がネイマールやメッシのようにスターになるまでに時間がかかる。体力が必要なビジネスで結果が出るまでは長いですが、ユーザに信じていただいている」と世界でも信頼の強い「日本ブランド」が世界サッカー界で革命を起こすために戦っていく。

文=新川諒

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