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ライアン・カジ (c)nickelodeonPRESS

米国のキッズ向けケーブルテレビ局「ニコロデオン」は近年、大幅な視聴率の低下にあえいできたが、世界で最も稼ぐユーチューバーとして知られる8歳のライアン・カジを起用した幼稚園児向けのTV番組「Ryan’s Mystery Playdate」を大ヒットさせて以降、勢いを取り戻しつつある。

ライアン・カジは昨年12月、フォーブスが発表した「2019年に最も稼いだユーチューバー」に選ばれ、年収は2600万ドル(約28億円)とされた。

3シーズン目を迎えたカジの番組は、児童向けTV番組としてトップの視聴率を誇っている。ニコロデオンは、2019年のバイアコムとCBSの合併により誕生した「バイアコムCBS」の傘下にある。

バイアコムCBSのキッズ&ファミリー部門のプレジデントを務めるブライアン・ロビンスは、2018年10月にニコロデオンのプレジデントに就任後、ユーチューブのスターたちをTV番組に招き入れ、キッズ向け番組の黄金期を復活させようとしている。

ロビンスのチームは韓国の教育ブランド、ピンクフォンと数カ月に渡る交渉を重ね、ユーチューブで46億再生を記録した「サメのかぞく(Baby Shark)」をベースとしたアニメ番組を制作し、来年からオンエアする。

バイアコムCBSの直近の四半期決算は赤字だった。決算発表の場でアナリストらは、昨年11月にディズニーがストリーミングのDisney+を立ち上げて以来、ニコロデオンの視聴率が急落したと、バイアコムCBS のボブ・バキッシュCEOを責めたてた。

「スポンジ・ボブ」や「ザ・ペンギンズ from マダガスカル」などの人気アニメ番組を放送するニコロデオンは、バイアコムの経営の屋台骨を支える企業だった。しかし、ニールセンのデータでは2015年以降に視聴者の44%を失っている。

ストリーミングに顧客を奪われた


背景には米国のキッズ向けTV番組の視聴人口が大幅に減少し、2011年のピーク時の約30%に低下したことがあげられる。子供向けTV番組は、ユーチューブに加え、ネットフリックスやHuluらに顧客を奪われたのだ。

メディア業界のアナリストは今年1月のレポートで次のように述べた。「現代の子供たちはiPadやTikTokへの依存度を高めており、彼らをリビングルームのTVの前に連れ戻すのは難しい。バイアコムのような企業には全く打つ手がない」

しかし、ニコロデオンを率いるロビンスは未来に前向きだ。元子役で番組プロデューサーも務める彼は、10年以上も前に子供たちのコンテンツ消費の変化を見抜いていた。

ロビンスは2008年頃からユーチューブで大人気となった風変わりな少年、Fred Figglehornを題材としたコメディ映画「Fred: The Movie」を2010年に製作し、ケーブルテレビ上で760万人の視聴者を獲得。同年のキッズ向けケーブルTV番組でトップの視聴率を叩き出した。

編集=上田裕資

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