人種マイノリティの料理人に機会を
新たな資金と、投資家のネームバリューを活かしてHungryは事業エリアを拡大していく。シアトル・シーホークス所属のボビー・ワグナーはシアトルでの顔となり、ロサンゼルス・ラムズに所属するトッド・ガーリーも、地元のファンにHungryをアピールする。
Hungryの共同創業者のエマン・パフレヴァニは、投資家らの迅速な動きに感謝している。「彼らは地元のコネクションづくりを支援してくれるし、現地の優れたシェフとつないでくれる」
ただし、Hungryのビジネスは課題も抱えている。新型コロナウイルスの感染拡大は、短期的な経済に打撃を与えるだけでなく、企業がリモートワークを推奨するなかで、ケータリング市場全体の需要が減少しているのだ。
しかし、ケータリング市場は今後の巨大な成長ポテンシャルを秘めている。HungryのCEOを務めるJeff Grassによると、米国のシェフの平均的な年収は8万ドル程度だが、Hungryでは月に5万ドルを稼ぐケースも稀ではないという。これまでは存在しなかった市場が開けているのだ。
「Hungryのプラットフォームは多様性に満ちている。女性シェフや、伝統的なレストラン業界では機会が閉ざされていた人種的マイノリティのシェフたちも、新たなチャンスが得られる」とGrassは話した。
「シェフたちの起業家精神を高めていくことが、当社のプラットフォームを支援する人々の願いだ」とGrassは続けた。