ビジネス

2020.03.09 12:00

オフィスにバリスタが常駐 情緒ある福利厚生が休憩の価値を変える



LUCY ALTER DESIGN取締役兼デザイナーの谷本幹人氏

コアバリューである“人”の再現性をより高く


Gardenはこれまで表だったPRをせず、口コミベースで拡大を続けてきた。結果、初めてのリリースが今回の分社化と資本業務提携となった。

「企業のコミュニティデザインを続ける中で、ようやく提供価値の型が見えはじめてきました。それをより多くの企業に届けるため、UCCとともに歩む判断をしました」(谷本)

Gardenには、オフィスでの“コーヒー体験”作りのアセットがある。一方のUCCには、業界では知られたバリスタ育成プログラム“UCCコーヒーアカデミー”や、B to Bの領域で長年培ってきた顧客との関係性、そしてコーヒーやそれ以外も含めた多様なメニューが存在する。

サービスをより安定的に、かつ従業員のニーズに応えて拡大していくには、UCCの持つアセットはGardenと非常に相性が良かった。

「一番大きいのは、バリスタの環境を整えられることですね。Gardenはコーヒーというプロダクトではなく、人が価値の源泉にあります。その価値を、いかに再現性もって高められるかという観点で、UCCの持つ育成環境は非常に価値があるんです。また、我々はまだまだ規模が小さいため、時としてご要望いただくコーヒー以外の飲食物の調達や、営業機能のカバーにも時間がかかる。そこでUCCの力を借りることができればと考えています」(青栁)

実際、UCCには全国にある拠点で「(自社に)カフェを作ることができないか」という企業からの相談が寄せられているという。そこにGardenを提供するスキームも、今後は考えられる。拡大するためにはGardenの提供価値の根幹にある“人”が欠かせない。その“人”の技術に再現性を持たせる上で、バリスタ育成のノウハウを持つUCCの存在は大きなものとなるだろう。



今回分社化を行い、事業を拡大していく同社。一方で、その裏には日本茶事業とまったく変わらない、「あらゆるステークホルダーにとって価値のある事業を作る」という想いがある。

「バリスタには、コーヒーとお客さま双方にフォーカスできる環境を。従業員には、素晴らしいコーヒー体験とコミュニティを。豆を提供してくれるロースターには、日本茶事業と同じように正しく価値還元できる仕組みを。我々がGardenを通してやっているのは、バリスタと、従業員、ロースターの三者が三方良しになる、究極のコミュニティデザインなんです」(青栁)

文/庄司智昭 取材・編集/小山和之 撮影/須古恵

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