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2020.03.06 11:30

フェイスブック社員がシリコンバレーでも感染疑惑、出勤停止

マーク・ザッカーバーグ(Johannes Simon/Getty Images)

マーク・ザッカーバーグ(Johannes Simon/Getty Images)

マーク・ザッカーバーグは先日、妻のプリシラ・チャンと共に立ち上げた慈善団体「チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)」を通じ、新型コロナウイルスの感染拡大に対処する試みを行っていくと宣言した。しかし、そのわずか数日後に、CZIの関係者が感染の脅威にさらされたことが発覚した。

CZIの広報担当者によると、同団体に勤務する契約社員の親族が新型コロナウイルスに感染したと診断されたという。これを受け、カリフォルニア州レッドウッドシティ本拠のCZIは、同じオフィスに勤務する従業員らに在宅勤務を命じた。レッドウッドシティはシリコンバレーの最北端の町として知られる。

「従業員の一人が感染者と接触していたとの報告を受け、我々は十分な注意を払うべきであると判断した。CZIは従業員に対し、週の後半を在宅で勤務することを命じ、施設を感染の脅威から遠ざける」と、担当者は声明で述べた。

「我々は事態の推移を注意深く見守り、公衆衛生の基準に基づくあらゆる対策を講じ、従業員やコミュニティの健康を守っていく」

今回のニュースは、ザッカーバーグが3月3日のフェイスブックの投稿で、CZIとフェイスブックが新型コロナウイルスの感染拡大に対処する、様々な取り組みを進めると宣言した直後に浮上した。

ザッカーバーグは3日の投稿で、ビル・ゲイツが設立した財団や、ウイルスの遺伝子配列を解析中のカンボジアの研究者らと共に、一連の取り組みを進めていくと述べた。彼らのチームはウイルスの遺伝子解析を行うツールを世界の科学者らに公開し、今後の研究に役立てていくという。

CZIはバイオハブと呼ばれる科学者やエンジニアらのグループを結成し、肺を含む人体の臓器内の様々な細胞をマッピングする作業を進めている。研究者はこのプロジェクトを通じ、コロナウイルスの症状や肺に与えるダメージを抑える手段を探っていく。

CZIは以前から、フェイスブック幹部の子供らの世代が生きている間に、世界中からあらゆる疫病を追放するという壮大な目標を掲げており、今回のプロジェクトもその理念に合致するものだ。

一方、感染が拡大するにつれ、世界の株式市場も大きなダメージを被った。フェイスブックの株価は先月、11%以上も下落したが、ザッカーバーグは今も695億ドル(約7.4兆円)の資産を保有している。彼は2015年12月に、自身が保有するフェイスブックの株式の99%を、生涯に渡り慈善活動に寄付していくと宣言していた。

ザッカーバーグはさらに、研究者らが匿名化されたフェイスブックのデータを活用し、感染拡大の経路を突き止める作業を進めていると述べていた。そのデータとは、人々の移動や、人口密度に関連するものだという。

フェイスブックはここ数年、個人データの取り扱いをめぐり、世間の強い非難を浴びてきた。その筆頭にあげられるのが、8700万人の個人情報を脅威にさらしたケンブリッジ・アナリティカ問題だった。

編集=上田裕資

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