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MT50e(FCCC)

シリコンバレーのEVバスメーカー「プロテラ(Proterra)」が、ダイムラーの大型トラックブランド「フレイトライナー(Freightliner)」向けにゼロエミッション(無公害)技術を提供することが明らかになった。

カリフォルニア州バーリンゲームに本拠を置くプロテラは、Freightliner Custom Chassis Corpの製造する小型トラック「MT50e」向けにバッテリーパックやモーターなどの部品を提供する。プロテラのCEO、Ryan Popple によると、MT50eの最大積載量は2万3000ポンド(約1万430キロ)、航続距離は125マイル(約200キロ)で、スタートアップの「Rivian」や「Arrival」がアマゾンやUPS向けに製造しているEVトラックよりも大型だという。

「他社が軽量トラックであるのに対し、MT50eはシャーシを連結した大型貨物トラックだ」とPoppleは話す。現状では、米国でのEV普及率は低く、昨年販売された1700万台の乗用車やトラックに占めるEVの割合は2%に過ぎない。

しかし、温暖化をもたらす排気ガスを削減するEVの開発には多額の資金が流れ込み、画期的な新製品が次々と発表されている。イーロン・マスク率いるテスラはEVトラック「セミ」を、ニコラ(Nikola)やトヨタ、現代自動車は燃料電池で駆動する長距離トラックを発表している。

Rivianはアマゾンに配送用のEVバンを提供しているが、これは「スケートボード」と呼ばれる、EVのピックアップトラックやSUVと共通のプラットフォームを用いて製造している。また、Arrivalは、リサイクル部品を使って低コストのEVバンを製造している。

ダイムラーは、プロテラの出資元でもある。プロテラは、過去数年間で公共交通機関に900台のバスを1台平均75万ドルで販売している。ディーゼルバスに比べて初期コストは50%ほど高いが、運用コストと燃料代はEVバスの方が安く、数年使用すればコストをセーブできるという。

Poppleを含め、プロテラの従業員の多くはテスラ出身だ。同社は、この2年間で通勤バスから製品ラインを拡大し、現在ではEVの長距離バスやスクールバスも手掛けている。また、EVフリート業者向けに充電システムやコンサルティングサービスを提供している。

フレイトライナーと共同開発するClass 4~6の中型トラックは、これまでの通勤バスに比べて市場規模が格段に大きい。米国における年間販売台数は、通勤バスの8000台に対して中型トラックは20万台もある。

トランプ政権による「EVへの逆風」


無公害車に対する社会の関心が高まる一方で、トランプ政権はパリ協定から離脱した上に化石燃料の採掘や採鉱を奨励し、排ガス規制を緩和している。さらに、米環境保護局は、カリフォルニア州が連邦政府よりも厳しい自動車排ガス規制を導入する権限すら奪い取ろうとしており、米国におけるEVの普及を妨げることが懸念される。

「それでも企業がEV化を加速させている背景には、経済的合理性がある。企業は、経済的なリターンが見込めたり、ブランド価値の向上につながる決定を下していく」とPoppleは指摘する。

「輸送システムの最大の担い手である公共交通機関や大型トラックのフリート企業は、経済合理性やブランド価値への影響を考慮してEV化を推進している。彼らは、投資家からも化石燃料からの脱却を進めるよう圧力を受けている」とPoppleは続けた。

編集=上田裕資

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