キャリア・教育

2020.03.09 07:30

山﨑康晃が語った、SNS論──彼はなぜ76万人以上から支持され続けるのか?


今でこそSNSで情報発信するアスリートは数多くいるが、2015年時点でSNSを活用するアスリートはまだ少数派。なにが山﨑の背中を押したのだろうか。

「名前が出たり、顔写真が出たり。リスクを考え始めたらきりがありません。そうしたリスクを踏まえた上で、SNSで情報を発信することは名前を覚えてもらったり、応援してもらえたりする良いきっかけになると思ったんです。時代も変化していて、SNSをやるのは当たり前の環境になっていた。プレーや結果で示すアスリートであっても、今後は自らネットを使って言葉やアクションを広く発信していくことが大切だと思いました」


(c)YDB

タイミングとシチュエーションだけは間違えてはいけない


オフの過ごし方を投稿したり、トレーニングの動画を投稿したり。ハッシュタグも使いながら、140文字の中に情報を最大限に盛り込み、発信をしている山﨑。彼のアカウントを語る上で外せないのが、5年間で炎上が一度もないことである。

昨今、不用意な発言が批判を集め、炎上してしまうアカウントは少なくない。だが、山﨑の発信する情報は誰も傷つけることなく、ポジティブな影響を与え続けている。

「プロ野球選手は常日頃、多くの人に見られる職業なので発信するにあたって、タイミングとシチュエーションはよくよく考えています。例えば、チームが勝ってない状況にも関わらず、ツイッターを更新したら何を思われるのか。簡単に想像がつきますよね。また自分がオフの日でも、ファームの試合が行われていたら投稿もしません。あとは遅い時間の投稿など……。とにかく投稿のタイミングには人一倍気を遣っています。

その他には言葉遣いもそうですし、写ってはいけないものが写っていないか。文字数が140文字と限られているからこそ、細かい部分もきちんと意識しています」

ツイッターを活用し始めたのは5年前。「細かい指導はなかった」と山﨑は語るが、彼はどうやってSNSに求められる作法、そして空気感を知っていったのだろうか。

「今の時代、不用意な投稿が波紋を呼んでしまうケースがたくさんあります。そういった問題をいくつか見ていく中で、何をやったら問題になってしまうのか、個人的には見当がついています。だからこそ、タイミングとシチュエーションを間違えてしまったら、取り返しがつかない。そこだけ絶対に間違えないようにしています。

簡単に誰でも始められるからこそ、ルールを分かってない人がやったら怪我をする。逆にそこさえ意識できていれば、SNSの活用は問題ないと思っていますし、上手く利用して、セルフイメージの向上や名前を少しでも多くの人に覚えてもらえるように繋げていけばいんじゃないか、と思っています」

null
(c)YDB
次ページ > 肩書きはプロ野球選手、インフルエンサーではない

文=新國翔大 写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事