山﨑康晃が語った、SNS論──彼はなぜ76万人以上から支持され続けるのか?

横浜DeNAベイスターズの山﨑康晃


肩書きはプロ野球選手、インフルエンサーではない


5年間、1度もやめることなく投稿を続けてきたことで、フォロワーは72.6万人に。国内のプロ野球選手では最も多い数字となっている。なぜ、山﨑のアカウントはここまで多くの人の共感を集めるのか。その裏には山﨑独自のSNSに対するポリシーがある。

「ツイッターは完全にプライベートで自分の考えをそのままに投稿していて、投稿の時間も人に言われて変えるようなことはしていません。また、企業からPRの依頼をDM(ダイレクト・メッセージ)でいただくこともありますが、そういった依頼はすべて断っています。あくまでも自分は野球選手であって、SNSの投稿を仕事にしているわけではない。活用するにあたってフォーカスしている部分は野球のことを知ってもらったり、普段見れない表情を見せたり、楽しい一面を見せたりすること。マーケティングのためのツールとして使っているわけではないので、PRの依頼は絶対にやらないポリシーでやってきています」

プロ野球選手はどんなことをしているのか、プライベートではどんな時間を過ごしているのかといった情報をSNSで発信していきたい──その思いが一貫しているからこそ、投稿内容が一切ブレることなく、ファンの獲得につながっている。それはビジネスパーソンも然りで、フォロワーを多く集めるアカウントは投稿の内容、そして世界観がブレることはない。

「山﨑選手が身に付けている商品はどこのブランドか、山﨑選手はどこのお店で購入しているのかといった情報を求めている人たちがいることも知っています。ただ、自分が商品の紹介などをすると、見ているファンの人は目線が変わってしまう。僕がやりたいのは野球の面白さ、プロ野球選手の日常を伝えること。そこだけはブレずに発信しています」

例えば、プロ野球選手を目指す学生であれば、プロ野球選手はオフにどういったトレーニングをしているのかが気になると思うからこそ、トレーニングの動画をアップする。また、プロ野球選手は夢がある職業だからこそ、オフの日の素顔を見せることでプロ野球選手になることが子どもたちの夢や目標になるかもしれない。

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(c)YDB

「野球人口が減ってきているからこそ、SNSを通じていろんな角度で夢を与えられたらいいなと思います。将来的には山﨑選手のツイッターのトレーニング動画を見て練習してプロに入ってきました、という人が出てきたら個人的にはすごく嬉しいですね」

文=新國翔大 写真=小田駿一

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