ビジネス

2020.03.06 08:30

ブロックチェーンの世界実装を担う

NOW代表取締役(共同代表)の梶谷亮介とCryptoeconomics Lab代表取締役の片岡拓

片岡拓は2018年7月、ブロックチェーン(分散型台帳)技術の研究開発を行うCryptoeconomics Lab(クリプトエコノミクス・ラボ)を創業。ブロックチェーンのセキュリティを失うことなく、スケーラビリティ、ユーザビリティを兼ね備えたDApps(分散型アプリ)を開発するフレームワーク「PlasmaChamber」の研究開発、社会実装に取り組んでいる。19年5月には、中部電力と個人間電力取引に関する実証実験を開始。同10月には、イーサリアム財団の「エコシステムサポートプログラム」にLayerXとともに日本企業で初めて採択された。

梶谷亮介が代表取締役(共同代表)として18年6月に設立したNOWは19年2月、同社への投資を行い、支援している。


梶谷:片岡さんとはじめてお会いしたのは2018年11月。最初から、起業家として「ものが違う」と感じ投資したいと思ったのですが、当時は「いまじゃない」と断られた(笑)。私は以前、証券会社勤務時代に50社以上、IPO(新規株式公開)に携わってきた経験があります。言語化が難しいのですが、IPOする経営者は皆、思考や発言のなかに「雰囲気」をもっています。片岡さんは、スケールの大きさが飛び抜けており、その中でもトップレベルの雰囲気がある。それから3〜4回、議論をしていくなかで、方向性が合い、投資させていただいた。

片岡:梶谷さんに出資いただいた理由は、事業よりも人をみてくれたところ。ブロックチェーン技術は日進月歩で進化しており、ビットコインができたのが10年前、イーサリアムも4年前。本当に1年で勝者が変わる業界です。だから、技術やプロダクトに張られても困る。ソフトウェア領域において、世界で勝てている日本企業がないなかで、世界を獲るというミッションを評価してくれ、「HOWは任せる」と言ってくれたことが大きいです。

私たちは現在、イーサリアム財団、テゾス財団から助成金をもらうなど、その技術に対して世界的に評価を受けています。スケーリング技術、かつ、契約内容をブロックチェーンで管理する「スマートコントラクト」領域では、技術的に先行している。
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文=山本智之 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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