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2020.03.05 11:36

米国でも転売ヤーが問題化、マスクや消毒液が異様な高値に

Scott Heins / by Getty Images

Scott Heins / by Getty Images

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米国のEコマースサイトでも消毒剤やマスク、トイレットペーパーなどが異様な高値で販売されている。

イーベイでは手指用の消毒ジェル「Purell」が1ボトル149ドルで売られている。このプロダクトは今や、人々の感染拡大への恐怖の高まりを象徴するアイテムとなった。保健当局は感染予防のため、手洗いやアルコール消毒が有効であると述べている。

マスクの品切れも発生し、アマゾンでのマスクの販売価格は先週の5倍以上に達している。イーベイでは使い捨てマスク100枚入りパックが130ドルで売られている。

トイレットペーパーの買い占めも世界各地で報告され、香港やオーストラリア、シンガポール、日本などで品不足が発生した。Nikkei Asian Reviewの記事によると、日本のトイレットペーパーメーカーの1社は、通常の10倍を超える受注への対応に苦慮しているという。

ネット上には人々の不安につけこみ、これらのアイテムを高値で転売する業者が横行している。アマゾンは3月2日、新型コロナウイルスの感染防止を謳う不正な商品、100万アイテムを販売停止にした。

イーベイも商品説明文にコロナウイルスやエピデミック(感染症)、ウイルス、Covid-19などのワードを含むアイテムの掲載を停止した。

恐怖心に煽られた人々がマスクや消毒液を買い占めた結果、それらの製品を本当に必要とする医療関係者の需要が満たせなくなっている。WHO(世界保健機関)は各国の政府に対し、マスクなどの増産を呼びかけ、医療現場の第一線で働く人々を守ろうとしている。

「差し迫った危機に対処するため、まずは医療関係者の安全確保を最優先せねばならない」とWHOの担当者は述べた。

米国のほとんどの州は、生活必需品の価格を不正に釣り上げる行為を禁止している。フランス政府は、マスクなどのプロダクトの供給を医療関係者向けに制限する措置に乗り出した。英国の大手ドラッグストアも、消毒液の販売を一人あたり2本に制限している。イタリア政府もオンライン上の不正転売の調査を開始した。

WHOは、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向け、世界の医療関係者が必要とするマスクの量が、月あたり8900万枚に達すると試算した。「健康な人々が感染予防のためにマスクをしても意味はない。咳やくしゃみなどの症状を持つ人々のみが、マスクをするべきだ」とWHOは述べた。

3月4日時点で、新型コロナウイルスの感染地域は70ヶ国以上に広がり、世界で9万3000人以上が感染し、3000人以上が死亡した。

編集=上田裕資

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