燃え尽きにつながる5つの悪い考え方

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仕事での燃え尽き症候群は大きな損害をもたらしており、特に大企業にとっての影響は大きい。人材管理会社クロノスが実施したアンケート調査では、従業員2500人超の企業の人事部幹部の15%が、会社の年間離職者の50%以上は燃え尽き症候群によるものだと回答。一方、従業員100~500人の企業の人事部幹部の5人に1人は、燃え尽き症候群を原因とした年間離職者は10%以下だと答えた。

私は、企業からこの問題について講演や指導をしてほしいとの依頼を受けることがあり、そのたびに頼もしく感じる。その企業が従業員の健康や幸福に対するコミットメントで知られている場合はなおさらだ。予防は治療よりも大切であり、より全体的な視点からキャリアに関する対話を行えば、意義あるキャリア開発を支援する職場作りができるだろう。

では、燃え尽き症候群とは具体的にどのようなものなのか? 異なる段階に分けると、次のようになる。

1. まず、仕事とプライベートの境界が曖昧になり、ワークライフインテグレーション(統合)が完全になくなる。
2. 精神や感情に悪影響が出て、集中できなくなる。
3. 周囲から切り離されている感覚が生まれる。怒りっぽくなり現実から目をそらすようになることも。
4. 周囲から完全に分離されたように感じ、パフォーマンスが明らかに下がり、人生に対する情熱を失う。

自分や部下がこのような状態になるのを防ぎたい場合も、既に回復の道を歩み出している場合も、次の5つの考え方をしてしまうと、目標達成が妨げられてしまう。

1. 給料は高いし、なかなか得られない仕事だから、自分は満足すべきだ。


これは、自分の職場に対する考え方としては健全でない。仕事は生活費を稼ぐためだけのものであるべきではない。自分自身を愛し、優良なもの(完璧なものとは異なる)のみを引き寄せ、受け入れるようにしよう。金が主なモチベーションとなり、充実感がなおざりにされると、人はいずれ疲弊してしまう。

2. 転職はどこに行くにしても競争率が高過ぎる。


目的意識を失い、今の仕事や会社が自分の感情に影響していると分かった場合、自分が制御できないことにストレスを感じないようにすること。その代わり、自分のパーソナルブランドや面接スキル、キャリアの明確化、人脈を作る能力など、自分が制御できることに集中しよう。

私のキャリア指導業の顧客は皆、次のことを理解している。それは、仕事の募集がまだ出ておらず、競争が少ないときに企業と接触するのが重要だということだ。現社員からの紹介も、他の候補者より自分を際立たせるのに効果的だ。
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編集=遠藤宗生

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