ニコラは、ナスダック市場に上場するVectoIQとの合併により、異例の上場を果たし、専用工場の建設を加速させていくと宣言した。合併にともない、VectoIQのティッカーシンボル(VTIQ)は、NKLAに変更される。新会社の名称は「Nikola Corp」で、企業価値は33億ドル以上を見込んでいるという。今回の合併はフィデリティやValueActらが主導し、第2四半期の完了を目指している。
VectoIQは特別買収目的会社(SPAC)に区分される企業で、元GM副会長のSteve Girskyによって設立された。同社はハイテク輸送分野への投資を本業としている。今回の報道を受け、VectoIQの株価は3月3日に11%以上の急騰となった。
ニコラ・モーターの創業者兼CEOのトレバー・ミルトンは「上場により新たな資金を調達し、強固なビジネスモデルを確立する。当社はエネルギーや輸送分野を根本から変えていく」と宣言した。
ニコラは今後、電動トラック市場においてテスラの強力なライバルになることが期待されている。評価額が既に30億ドル(約3260億円)に達するニコラは、約6億ドルを調達し、アリゾナ州の工場で水素燃料電池セミトレーラーの製造を開始しようとしている。
しかし、同社のEVトラック「ニコラ・バッジャー」の発売や、水素ステーションの展開に向けては巨額の資金が必要だ。VectoIQとの合併で上場を果たすことで、ニコラは通常のIPOよりも迅速に資金調達を行い、製造を加速できる。フォーブスの取材にミルトンは、上場により約10億ドルの調達を見込んでいると話した。
今回の合併の発表以前にフォーブスは、ミルトンが燃料電池トラック分野で初のビリオネアであると試算していた。彼はニコラの株式の40%を保有している。開示資料によると、新会社のNikola Corpの立ち上げ後のミルトンの持ち分は、30%以上になるとされている。