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イノベーション・エコシステムの内側


では、実際に、どのような連携を図ればよいのか。日本企業とインドのスタートアップ企業のブリッジ的役割を果たす、東京のデロイトトーマツグループでインドのスタートアップを担当するコンサルタントであるVinod Vasudevan氏とRohan Wadhwa氏に聞くところによると、フィンテック分野に好機がありそうだ。


(左から)Rohan Wadhwa氏、筆者、Vinod Vasudevan氏

デロイトトーマツは、インドのスタートアップと日本の大企業のマッチング支援を行なっているが、2年前からインドで開催しているモーニングピッチでは、日本の企業から資金調達をしたスタートアップが続々と生まれている。

また、インドにおいて日系企業は、ヘルスケア、ロジスティクス、モビリティ、AI、サイバーセキュリティ、コンシューマーテック、フードテック、フィンテック、インシュアテック、スマートシティおよびIoTなどの分野に専門知識と資本を投入する機会が多いという。

ここ数年、インドでは爆発的なインターネットの普及と「India Stack(誰もがオンラインでサービスを受けられる公共インフラ)」の開発によってフィンテック革命が起きている。これは日本の企業にとっても、P2P融資、電子財布、信用格付けプラットフォーム、革新的な保険商品などの分野で戦略的資本を提供する絶好の機会となっている。

交渉をうまく運ぶには


ところで、インドのスタートアップとミーティングする際にはコツがあるという。それはまず、必ず適切な意思決定者をミーティングに参加させることだ。なぜなら、インドのスタートアップのCEOはとてもアグレッシブで、ストレートに交渉する傾向にあるので、投資してもらえるかどうかをその場で確認したがるケースが多いからだ。

同時に、できればインド側にも、あまりスピードを気にし過ぎず、日本にはコンセンサスに基づいた意思決定プロセスがあるということを理解してもらうようにすることだ。文化の違いを踏まえたうえで、定期的にコミュニケーションをとり、成果に繋がるようにサポートする姿勢が必要である。

日本の企業は、インドのベンチャーキャピタルに、有限責任のLP(リミテッドパートナー)として投資することでインド市場への参入に成功しており、これによりリスクを制限しながら関与することができる。

インド大使館も、日本の経済産業省、ジェトロ、インベストインディア、NASSCOMなどと積極的に連携し、両国間でのデジタルパートナーシップを促進させている。

今後も、次世代のグローバルオープンイノベーションへの道筋として、日本との親和性が高く、ソフトウェアに強いインドとの連携を、さらに深く検討する価値はあるだろう。

連載:イノベーション・エコシステムの内側
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文=森若 幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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