フェイスブックが個人情報の不正収集で米データ企業を告訴

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フェイスブックはニュージャージー州本拠のデータ分析企業「oneAudience」が外部のアプリ開発企業に対価を支払い、利用者のデータを収集していたとして、訴訟を起こした。

フェイスブック側の主張では、oneAudienceは昨年9月以来、アプリ開発者に対価を支払い、SDKを買い物系アプリやゲームアプリにインストールさせ、利用者の同意を得ずに個人データを収集していたという。

問題のSDKが仕込まれたアプリの利用者がツイッターやグーグルのサービスにログインした場合、それらのデータもoneAudienceの手に渡っていたという。収集されたデータには、氏名やEメールアドレス、位置データ、フェイスブックIDが含まれており、影響を受けたユーザーは最大950万人程度に及ぶという。

フェイスブックの法務部門のJessica Romeroは「当社は報奨金プログラムに応募した、セキュリティ研究家の報告でこの問題を検知した」と声明で述べた。同社はその後、OneAudienceにオペレーションの中止要請を行ったが、回答が得られなかったため、法的措置に踏み切ったという。

OneAudience側は昨年11月に、「データ収集は行ってない」と反論し、デベロッパーらに新バージョンのSDKへのアップデートを求めていた。フェイスブックはOneAudienceに対し査察に応じるよう求めており、同社のサーバへのアクセスや新規のアカウント開設を禁止した。

フェイスブックは以前から、同社のプラットフォームを不正利用した企業を訴えており、昨年12月にはフェイスブック広告経由でマルウェアをダウンロードさせた中国企業を告訴した。

「フェイスブックは当社のプラットフォームを利用し、個人データを盗み取る行為を容認しない。外部のデベロッパーらにも協力を求め、不正を働く企業には断固たる態度で挑んでいく」とRomeroは続けた。

編集=上田裕資

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