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2020.03.05 07:00

Kickstarterを産んだ「パンクロック精神」──既存の評価システムはフェアじゃない

Kickstarter共同創業者のチャールズ・アドラー 写真=末岡洋子

Kickstarter共同創業者のチャールズ・アドラー 写真=末岡洋子

インターネットは様々な分野を変えた。共通しているのは民主化だ。調達もその一つで、クラウドファウンディングは、アイディアがある人が直接自分のアイディアを潜在ユーザーや鑑賞者に問う仕組みを果たしている。

Kickstarterを11年前に共同創業したチャールズ・アドラー(Charles Adler)によると、根底にあるのは「何かがおかしくないか?」という破壊者の精神という。

アップルが「Apple Watch」を発表する2年前、Pebble(その後Fitbitが買収、Fitbitは2019年にグーグルに買収されている)がスマートウォッチプロジェクトをクラウドファウンディングでローンチし、大きなニュースになった時、製造業が変わると感じた人が少なからずいたはずだ。ソフトウェアと比べてハードウェアベンチャーのハードルは高いが、Pebbleの成功は、何かを作りたいという人が直接的な支持者(潜在ユーザー)とコネクトできれば、支持者のために作成することが可能、ということを示した。

その楽観こそ、アドラーたちKickstarterの創業者が求めているものだ。別の見方をすれば、大衆は大手メーカーが大量に製造した製品を受け入れるのではなく、能動的に自分の欲しいものを探すこともできるようになった、と言えるだろう。

大人社会への反発から、Kickstarterは始まった


その少し前の2013年には、「Ubuntu」で知られるLinuxディストリビューションのCanonicalが別のクラウドファウンディングプラットフォームIndiegogoで、Ubuntuのスマートフォンプロジェクト「Ubuntu Edge」のアイディアを世に問い、話題になった。

3200万ドルという野心的な目標設定もあって、プロジェクトは失敗に終わったが、Canonicalの関係者は自分たちのアイディアの市場性をよく理解できたので失敗ではない、と述べていた。また、ユーザーからはこんなスペックも付けて欲しいというコメントも得られたという。
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文・写真=末岡洋子

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