ビジネス

2020.03.06

チョコレートのキャドバリー、近く「ヴィーガンチョコ」を発売か

キャドバリーの代表作、デイリーミルク/shutterstock.com

米食品大手モンデリーズ・インターナショナル傘下の英キャドバリーは、同社を象徴する商品ともいえるチョコレート「デイリーミルク」のヴィーガン向けタイプを発売する計画だ。

発売日は今のところ未定だが、乳製品を使用しないキャンディーやスナックの需要の増加に対応したい同社は、すでにこの新商品の開発におよそ2年を費やしているという。当初は今年1月の発売を目指していたものの、乳製品もナッツ類が原料の代替ミルクも使わない「デイリーミルク」の開発は、簡単なものではないとみられる。

オリジナルの「デイリーミルク」には、227g当たりに約426mlの牛乳が含まれている計算。つまり、牛乳は同商品の主要な成分のひとつだ。そのため、代替となるミルクは消費者にとって、オリジナルと同様に魅力的なものであることが重要となる。

モンデリーズUKの広報担当者は米CBSテレビに対し、次のように語っている。

「消費者の間でヴィーガンフードへの関心が高まっていることは、よく認識している。消費者により良い商品の選択肢を提供するため、わが社は新商品の開発とイノベーションに専念する素晴らしい研究開発チームを組織している。(だが、)商品を発売するのは、消費者がキャドバリーに期待する最高の味と舌ざわりを実現でき、パイプラインにおいて心躍るようないくつもの発展があった場合に限る」

一方、現在販売しているオリジナルの「デイリーミルク」の販売は、今後も継続する予定。キッチンストーブ(コンロ)メーカーの英レジャーがグーグルの「キーワードプランナー」を使って各国での検索ボリュームを調査した結果では、「デイリーミルク」は世界78カ国において、最も人気のチョコレートバーであるとみられている(年間の検索ボリュームは、約46万6680件に上る)。

モンデリーズは過去にも、ヴィーガン向けのキャンディーやスナックの開発に投資している。2015年には乳製品を使わないスナック類を専門としてきた米インジョイ・ライフ・フーズを買収。これにより、アレルギー食材不使用やグルテンフリーのスナックの製造を実現した。また、2019年にはヴィーガン・スナックを手掛ける米ヒュー・マスターホールディングスにも出資した。

ヴィーガン向け食品の市場は、2026年までに243億ドル(約2兆6300億円)規模に達すると予想されている。また、世界人口の65%は、(乳製品を受け付けない)乳糖不耐症であるとみられている。代替としてヴィーガン向け食品を求める消費者により、需要の増加は今後も続くことになるだろう。

編集=木内涼子

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