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ECサイト「アリババドットコム」、決済サービス「アリペイ」など、幅広いサービスを展開する「アリババグループ」創業者、ジャック・マー。

2019年3月にはアリババの時価総額を世界7位にまで押し上げたが、惜しまれながら同年9月に会長職を退任。起業家ジャック・マーの人物像に迫る。

アリババグループを創業、中国最大の時価総額企業へ


1999年ジャック・マーは、インターネットを通じた小売りサービスや金融サービスを中心事業としたアリババグループを創業。

主に中国市場に向けたプラットフォーム提供を行い、2014年ニューヨーク証券取引所上場時には、時価総額2300億ドルを記録。19年9月時点で中国小売市場における月間モバイルアクティブユーザー数が7.85億人に達するなど、中国最大手の時価総額を誇る企業として知られる。

アリババグループを成長させた主要事業


アリババグループは様々な事業を展開しているが、その中でも主要な事業を紹介する。

まず、同社の代名詞であり1999年にスタートした「アリババドットコム」。世界200以上の国と地域の約1億社にものぼるバイヤーと、中国を中心とした企業を繋ぐマッチングサイトである。中国市場を中心にした事業は大きく伸び、19年にはアメリカのバイヤーへ開放したことでも話題となった。

03年に開設したのが、C to Cサービスの「タオバオワン」。登録料・出品料・取引手数料が無料で個人間の取引を行える他、ビッグデータによりパーソナライズ化されたショッピングができる。

先に中国市場に進出していたアメリカの「eペイ」に対し、様々な手数料を無料にすることで差別化を図った。また、タオバオワンの発達に伴いB to Cの「テンマオ」を開始。販売手数料、出店料をテンマオで取り、収益性の改善を図った。

04年にスタートしたのが、オンライン決済サービス「アリペイだ」。タオバオワン内にて使用する公式決済サービスとして生まれ、店頭でもネットでも支払いに利用できる。中国全土の屋台やチェーン店などで利用可能で、アジア各国に10億人以上のアクティブユーザーを抱える。

15年以降は日本でもインバウンド施策として多数の店舗で採用され、19年には導入店が30万店を突破した。

創業前は「落ちこぼれ」だった


1964年に中国浙江省で生まれたマー。事業で大きな成功を収めてきたが、アリババグループの創業前には数々の失敗も経験してきた。

中学・高校での成績は振るわず、大学受験に2度失敗。就職試験では30社以上の会社に応募するも全て不採用だった。ようやく手にした教師の仕事を経て、91年に翻訳会社を、95年にWebサイトの構築会社を起業するも、業績は振るわなかった。

マーは、18年の世界経済フォーラム(通称「ダボス会議」)にて、「30歳まで、ずっと落ちこぼれだった」と語っている。アリババ・グループでの功績は、様々な苦労を乗り越えた後に掴んだ成功だった。

孫正義との出会い


アリババグループ創業当初から、マーを支援していた人物として、ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義が挙げられる。きっかけは、00年に孫が行った約20社の新興IT企業経営者との面談だった。

出資の依頼や事業計画ではなく、未来がどうあるべきかを語るマーに対し、孫はたった5分で出資を決意。出資額は1億か2億円程度で構わないと言ったマーに対して、20億円の出資を申し出たという。

19年9月、アリババを退任


マーは18年に引退を表明。引退の理由の多くは語らなかったが、教育現場に戻りたいと発言した。19年に行われた引退セレモニーではロックスターのコスプレで登場し、アリババグループの約6万人の社員を大いに沸かせた。

文=齋藤優里花 写真=gettyimages

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