サベージxフェンティが躍進する一方で、ヴィクトリアズ・シークレットは売上の低迷に苦しみ、完全な非公開企業にスピンオフされることになった。多様性が重視される時代のなかで、ランジェリー業界も大きな変化を遂げている。2025年までに3250億ドル(約35兆1387億円)規模に達する見通しの世界市場において、サベージxフェンティがトップを走ることになりそうだ。
知っておくべきこと
リアーナのランジェリーブランドは、131億ドル規模とされるアメリカの女性向け下着部門におけるビジネスと文化の中心に存在している。ビジネスニュースサイト「カルチャーバンクス(CultureBanx)」は、ヴィクトリアズ・シークレットがこうしたモデルの追随に苦慮していると指摘する。
ヴィクトリアズ・シークレットは2019年、ついに時代遅れのランウェイショーを中止する決定を下した。リアーナのブランド「サベージxフェンティ」の人気がとどめの一撃となったのは確実だ。そして今回、ヴィクトリアズ・シークレットはプライベート・エクイティ会社に売却されることになった。
エルブランズは、精彩を欠いたヴィクトリアズ・シークレットの経営権のうち55%を、5億2500万ドルでシカモア・パートナーズ(Sycamore Partners)に売却することで合意。姉妹ブランドである「PINK(ピンク)」を含む残りの45%の経営権については、投資家の懸念を鎮めるために、エルブランズが保持する。同社の株価は、過去2年間で50%も下落してきた。
ヴィクトリアズ・シークレットは、2018会計年度の売上高を73億7000万ドルと報告している。その約15%の金額で売却されることは、控えめに言っても最悪だ。サベージxフェンティの売上は伸びており、一方でヴィクトリアズ・シークレットの売上は減少。オープンから1年以上の店舗の売上は、2019年の第4四半期に10%減少した。