私はかつて、世界には3つのタイプのリーダーが必要だと述べた。それは芸術家タイプ、科学タイプ、対人関係タイプだ。芸術的なリーダーは感情に作用することで、科学的なリーダーはその思想やアイデアを通して知識に作用することでインスピレーションを与える。本稿で焦点を当てる対人関係に優れたインターパーソナルリーダーは、他者を導く存在だ。
本稿の最初の文の中で述べたリーダーシップの定義は幸せに基づくものだ。幸せとは3つの「グッド」でできている、それは他者に良い(グッドな)ことをすること、自分が得意(グッド)なことをすること、自分にとって良い(グッドな)ことをすることだ。
これを冒頭の文で考えると、「意義ある」共通の目的は他者にとって良いこと、「最善を尽くす」は得意なこと、「やりがい」のある共通の目的は自分にとって良いことを指す。
インターパーソナルなリーダーが直面する課題は、どのように人々を鼓舞し、協力して目標を実現させるかだ。
対人関係では、内側から外側へのアプローチを取ろう。これは、環境から始まり価値観、態度、関係性、振る舞いへと移行する外側から内側のアプローチの逆を指す。考えるときは外側から内側へと向かうアプローチが必要だが、リーダーとして人を導く上では内側から外側のアプローチを採用しよう。
その際は、相手にとって本当に重要なものが何がを開始点とすること。相手は、あなたにとって重要なことを知っても感銘を受けない。人は、自分にとって重要なことに鼓舞されるのだ。まずはこの点を考慮し、以下の3つを理解すると、対人関係に優れたリーダーに近くことができるはずだ。
構造/枠組み
構造はあり過ぎても窮屈だが、必要十分なレベルであれば境界線の内側で自由に振る舞えるようになる。枠組みは、アイデアの肉付けに使われる基本的な概念構造だ。構造を持つことで、スタート地点を理解し、目的の達成方法に焦点を当て、思考を導くことができる。
陪審員への指示を例として考えよう。これは、陪審員に思考のための枠組みを与えるものだ。法律情報サイトのUSリーガル(USLegal)は、裁判の判事が陪審員に指示を与えるのは「判事が与えた法律を事実に適用するためであり、他の法律が適用されるべき、あるいは陪審員に説明された法律が不公平だ、などといった陪審員自身の判断を代替するものではない」と説明している。
枠組みは思考において、プールのレーンのような役割を果たす。枠組みを使うことで人々が最も大事なことに集中できるようにし、境界線内での思考を可能にすること。