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新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、東京株式市場で日経平均株価は急落し、今週の週間下げ幅は計2243円78銭で、リーマンショック直後に次ぐ大きさとなった。

2月28日の日経平均株価は5日続落し、2万1142円96銭で取引を終えた。前日終値比の下げ幅は一時1000円を超え、2万1000円の大台を割り込む場面もあり、不安感が広がっているが、専門家からは下値のめどを「2万円」とする見方が出ている。

厳しい現状だが、先行きを見通す方法はないのだろうか。市場関係者に聞いた。

再び高値を目指すのは夏以降か


まず、市場の混乱はいつまで続くのだろう。コモンズ投信の伊井哲朗代表取締役社長は「世界的な感染者数の減少が見えてくる3月末までが第1ラウンド」として、その後は、株価が急速に戻ると見込んでいる。

だが、その先は「第2ラウンドで企業業績の悪化を織り込み再び下落する。相場が高値を目指すのは、2020年の夏以降になるでしょう」とみる。

一方、第一生命経済研究所の首席エコノミスト永濱利廣氏は、収束のめどについて「世界の感染拡大のピークアウトが見えるまで」とした上で「希望としては5月までに収束してほしい」と述べた。

永濱氏によると、今回の下落がセリング・クライマックス(大量な売り注文によって相場が急落する局面)であれば2万1000円台でとどまるが、リセッション(景気後退)となれば「2万円割れ」の可能性もあり得るという。永濱氏は現状について「2万円台を維持するかしないかの瀬戸際」と捉える。

ただ、WHOのテドロス・アダノム事務局長が2月27日に、新型コロナウイルスによる感染症のアウトブレイクは「決定的な分岐点であり、パンデミック(世界的流行)の可能性がある」と指摘しているように、現時点で今後の感染の収束の時期を読むことは難しい状況だ。

株式市場についても、永濱氏は「東アジアや日本で混乱が収束したとしても、最後の砦であるアメリカでも感染が拡大すれば、リセッション(景気後退)の可能性もある」として、「見極めが難しい瀬戸際」と見ている。

実際に2月27日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が1190ドルの下落となり、過去最大の下げ幅を記録している。世界経済の景気後退や東京五輪が中止されるようなことになった場合は、さらに悪影響を及ぼすだろう。

一方、このような厳しい状況下で、医療関連やテレワーク関連のほか、宅配やゲーム、通信、通販などは好調という側面もあり、下値を支える材料でもあるとされる。

構成=谷本有香 文=督あかり

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