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困難の先には、新しい働き方や遠隔医療が進展
専門家は、冷静な判断を呼び掛けている。第一生命経済研究所の永濱氏は「過去のどの感染症も収束してきた。100年に1度と言われるリーマンショックでも相場は戻ってきた」として、静観する姿勢を示す。
コモンズ投信の伊井代表は「私たち長期投資家としては決して楽観はしていませんが、歴史を振り返ると、国難とも言われる出来事は人類の大きな進歩にもつながりました」と指摘する。
例えば、東日本大震災後の復興をかけて、ベンチャー起業家や社会起業家が多く生まれ、ツイッターなどSNSの急速な普及にもつながった。また中国では、SARS流行を機にECビジネスが発展したことなどを挙げる。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、日本政府によるテレワークの推奨などもあり、伊井代表は「この困難を乗り越えた先には、新しい働き方の定着、遠隔医療や遠隔教育に進展が見られるでしょう」と見通す。
投資家に対しては、伊井代表は「投資は未来を信じる力」という視点の重要性について、改めてこう訴える。
「投資は本来、株価への投資ではなく、企業に対する投資のはず。目先の社会的な混乱や株価の変調だけに目を向けると不安になりますが、少し先を考えてみれば、新しい未来が見えてくることでしょう。投資家のみなさんは今こそ、未来を信じて投資に力をいれていくことが重要だと思います」