ベゾスのインスタグラムへの投稿によると、このグローバルなイニシアチブは活動家や科学者、非政府組織(NGO)が取り組む「自然界を保護し、保全するための活動」に資金を提供。「気候変動が地球に及ぼす計り知れない影響と闘うための新たな方法を模索し、既知の方法をさらに推進していくために協力していきたい」という。
ベゾスがこうした約束をしたのは、気候変動に対する現在のアマゾンの取り組みに不満を抱き、地球を脅かす危機的状況のさらなる悪化に自社が加担していると考える従業員たちからの圧力が強まっているためだ。
アマゾンは2019年9月、環境対策に不満を持つ従業員によるストライキの拡大を受け、気候変動対策に関する新たな方針を発表。2030年までに再生可能エネルギーの使用率を100%とし、2040年までにカーボンニュートラルを実現すると約束した。そのなかには、アマゾンが多額を出資するミシガン州の電気自動車(EV)メーカー、リビアンからのEV10万台の購入も含まれている。
だが、多くの従業員たちはこうした約束について、時価総額が1兆ドルに近いアマゾンが企業の社会的責任(CSR)を果たしていることにはならないと主張。不十分だとしている。
基金の詳細は不明
ベゾスは基金の設立を約束したことで、米国で気候変動対策に最も多額の資金を寄付する個人となった。ただ、実際のところ、資金を拠出すればすべてが解決されるというわけではない。掲げる目標が何であれ、これだけの巨額の資金を分配し、運用しようとすれば大きな問題に直面する。気候変動問題に関する目標であれば、特にそうだ。
多くのプロジェクトや団体はその実効性に関わらず、巨額の資金の流入に適切に対応することができていない。規模が小さいのだ。つまり、これらの団体には指針が必要であり、資金を十分に活用できるだけの規模が必要になる。