ビジネス

2020.03.01

中古車の信頼性、トヨタとレクサスが首位独占 英調査

レクサスRX

どの中古車が一番信頼性が高いのか。どの車両が一番長くもつのか。クルマを購入する時に、顧客が安全性、価格の次に考える項目といえば、信頼性だろう。

しかし、多くの車好きが興味津々なわりに、徹底的な中古車の調査はあまりない。そこで今回は、英国の有力自動車専門誌「オート・エキスプレス」が行った「ドライバー・パワーによる顧客満足度調査」に注目してみよう。

まず、この調査結果はどのように導き出されているのか。同誌の編集部は毎年150台以上の新車や中古車を試乗するが、やはりユーザーの声を聞かない限り、信頼性ほか詳細に関する「ホンネ」は出てこない。そこで、オート・エキスプレス誌は毎年、5000人以上の読者にアンケートを依頼。エンジン、ギアボックス、外観、室内、実用性、乗り心地&走り、安全装備、そして信頼性&製造品質などを評価してもらい、発表している。

その結果、2019年は、トヨタ、または同社の高級ブランドであるレクサスが、トップ10のうち1位から5位までを独占。1位にレクサスRX、2位にレクサスGS、3位にトヨタRAV4、4位にトヨタ・アヴェンシス、そして5位にトヨタ・オーリスの順でランクインした。

実はトヨタはこうした調査で頻繁にトップに輝いている。面白い例だと、10年ほど前、英国の有名なテレビ番組「トップギア」が、中古のトヨタ・ハイラックスを海に沈めたり、火をつけたり、高層ビルの屋上から落としたりして厳しいテストをした後でも、そのハイラックスのエンジンはかかり、ゆっくりと走行できた。同番組では、ハイラックスを「世界一壊れないクルマ」と名付けた。

調査結果が販売に直結?


1位のレクサスRX(95.35%)には、ガソリン仕様車、ハイブリッド仕様車があり、業界一の安全装備も搭載されているが、今回の調査では、それらの部品が最も壊れない、最も欠陥が少ないという結果が出た。2位のGS(95.18%)も欠陥はほとんどないという。


レクサスGS

トヨタRAV4は昨年、日本の最優秀車賞「日本カーオブザイヤー賞」を受賞しているが、今回の調査では3位をゲット。オンロードやオフロードの走行性能が高く評価され、インテリアの質感や部品の信頼性が優れているという。

ちなみに、6位にはジャガーXF、7位にはボルボV40、8位にはトヨタ・ヴェルソ、9位にはシュコーダ・イエティ、そして10位には日産リーフが顔を並べた。しかし、トヨタ系の車両が信頼性の調査でトップ5を独占するということは、やはり英国の販売に良い影響を及ぼす。

実は、アメリカの「iSeeCars」という調査サイトが、どの車両が最も信頼性があって、乗り潰されるまでに20万マイル(約32万km)以上走行できるのか調べた結果、トヨタ・ランドクルーザーが1位に選ばれた。同調査では、ランドクルーザーの販売台数の15%は、32万kmという総合距離を超えることが明らかに。ランキングは、2位にトヨタ・セコイア、3位にはフォード・エクスペディションが続いた。

僕の英国人の同僚の話によると、このような「ドライバー・パワー調査」が出ると、中古車の販売台数が急増するそうだ。つまり、どれだけ顧客がこういう信頼性の情報を大切にしているかがはっきりと伺える。あなたも、クルマを購入する際、こうした調査をチェックすると、選択により自信を持てるのではないだろうか。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

ForbesBrandVoice

人気記事