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2020.03.05

一種の「こんまり流片づけ」。アナログノート術が世界中で大ブームな理由

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バレットジャーナルの効果を実感できる3つのルール


では、バレットジャーナルとは一体どんなノート術なのだろうか。バレットとは「・」のことで、いわゆる「箇条書き」を意味する。シンプルに言えば、箇条書きを活用しながら頭の中を整理するノート術のことだ。

詳しくは書籍を読んでいただくとして、ここでは簡単にポイントを説明しよう。

まず日々のタスクや備忘録などを箇条書き(リスト)でどんどん書き記すこと。リストの頭に記号を付けて優先順位を決め、終わったらチェックする。それを毎回(毎日)繰り返し、書き直したり定期的に見直したりして、自分にとっての意味を見極めていくというものだ。その実践法は多岐にわたるが、内なる情報を掘り下げる上で、私が特に有効だと感じるのは以下の3つである。

1. ラピッドロギング(リスト化)


箇条書きと記号を使った記録法のこと。日々のタスクや備忘録、思いつき、日記など何でもいいので、どんどんノートに箇条書きで記していく。そして、その頭に「・」「〇」「-」「*」「!」といったルールに基づく記号を付け、情報の種類をひと目で見分けられるようにする。その後、完了したら「×」、延期したら「>」、別の日の予定に移動したら「<」などの記号を書き、ステータスもひと目でわかるようにする。

頭の中を片づけるには、まず占有している情報を外に吐きだす必要がある。「こんまりメソッド」もまずは家中のモノを一箇所に並べることから始まる。やるべきこと・やりたいことなど、本来は複数のレイヤーに分かれるものもあるだろう。そうした入り組んだ情報を効果的に書き出す技術は知っておくと便利だ。


出典:『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』

2. マイグレーション(移動)


書き出した箇条書きのリストを、別のページに書き写すこと。デジタルと違ってコピペができないので、リストを毎回書き直す必要がある。これは非常に面倒だが、この作業を通してタスクの見直しから優先順位付けを調整する。アナログならではの煩わしさだが、そこにこそデジタルにはない効果を実感する人が多い。

さらに、他のページ(「コレクション」と呼ぶ)に移して、別のレイヤーで整理したり、膨らませたり、掘り下げたりすることで、管理することもできる。デイリー、ウィークリー、マンスリーといった時間別管理から、フューチャーログといった未来管理、インデックスを作る検索管理など、システムをより完全にする工夫もある。


出典:『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』

3. リフレクション(振り返り)


リストを定期的に振り返ること。バレットジャーナルでは、振り返りを通して内省を促すことは必須だ。振り返りこそが、自分にとって必要・不要の基準を生み出す。人生を自動操縦でやり過ごすことから、立ち止まって意識的に自分でハンドルを握ることへと切り替える。自分固有の経験や感情に焦点を当て、自問と対話を繰り返すことで、大切なことと手放すことを見極めていけるようになる。
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文=ダイヤモンド社・市川有人

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