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境界線をあいまいにするボーダレス組織論


何を言っても大丈夫な環境をつくる


次に、2の「チャットを関係者全員が見える状態にすること」ですが、「チャット=オフィス」として、すべての会話がチャットで行われていたとしても、それが関係者全員に見えるようになっていなければ、円滑に業務を進めることは難しくなります。

1対1のダイレクトメッセージで業務のやりとりをしてしまうと、ほかの同僚からはまったく仕事の状況が見えなくなってしまいます。すると、他の関係者全員に情報共有するための手間や時間がかかりますし、特定の人に業務が集中してしまったとしても、誰も気づくことができません。

また、お互いの業務が見えなくなることが疑心暗鬼を生み、円滑に業務を行う妨げになってしまう可能性もありますので、関係者には必要な会話が見えるように、グループチャットをつくり、オープンな場で会話することが重要です。

最後に、3「何でも言いやすい雰囲気と場をつくること」ですが、1、2を実現するための前提として、何でも言いやすい雰囲気と場をつくることが必須です。

リモートワークの場合、実際の姿が見えないので、誰か業務で困っていたり、忙しくて業務過多になっていても、その様子に気づきにくくなります。そういった状況を防ぐためには、その本人から「困っているから教えて欲しい」「忙しいので誰かに助けて欲しい」ということを発信してもらう必要があります。

困っている、助けて欲しいといったことを発信するのは勇気がいることですし、自分からは言いにくいことでもあります。しかし、そういった場合に発信してもらわない限り、周囲は気づくことができないので、発信してもらわないわけにはいきません。そのためには、常日頃から「何を言っても大丈夫」と思える環境(これを人事の用語で「心理的安全性」と言います)をつくっておくことが大切です。

リモートワークだとしても、定期的に「1on1」を行って困っていることを聞く、雑談用のチャンネルをつくって意図的に業務外の会話を増やす、Web会議のツールを使ってオンラインランチをするなど、チームでの人間関係を円滑にしたり、信頼関係を構築したりしていくための工夫が必須になります。

リモートワークであろうとなかろうと、仕事を進めるうえで必要なことは、基本的には変わりません。お互いの人間関係を円滑にし、何でも言える環境を、如何に日頃からつくっておくかが、リモートワークの成否も決めるもっとも重要なポイントになるのです。

連載:境界線をあいまいにするボーダレス組織論
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文=石倉秀明

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