フェイスブック、新型コロナ関連の「不適切広告」を全面禁止に

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フェイスブックは新型コロナウイルス関連の詐欺広告を追放すると宣言した。感染拡大が進む中で、フェイスブック上では陰謀論やウソの治療方法が拡散しており、その中には漂白剤を飲むことでコロナウイルスの感染症を治療できるとするものもある。

フェイスブックの広報担当はフォーブスの取材に対し、「コロナウイルスの感染防止効果を保証するプロダクトや、危機感を煽るために早期の販売終了をほのめかす製品などの告知が禁止対象となる」と述べた。例えば、「コロナウイルスの感染を100%防止するマスク」の広告は禁止となる。

健康分野の専門家は、コロナウイルス関連の誤情報やニセの治療法、陰謀論の拡散が人々の安全を脅かし、政府や専門機関の信頼を毀損すると述べている。「誤った情報に対処するためのワクチンが必要だ」とWHOの担当者は先日のミーティングで述べていた。

ここ数カ月間で、複数の誤った治療法がフェイスブックで拡散しており、その中には漂白剤を飲む事でコロナウイルスの感染症を治療できると主張するものもある。

ただし、フェイスブックは先月、コロナウイルス関連の誤情報の全てを削除する予定はないと宣言した。信頼性が疑わしい情報を含む投稿はフィード内で目立たないようにし、WHOなどの信頼できる機関のサイトに誘導すると、同社は述べていた。

フェイスブックは2016年の米国大統領選挙の頃から、誤情報の拡散防止に苦戦してきたが、現在も政治家による意図的なウソを含む広告の出稿を禁止しておらず、その件で強い非難を浴びている。

しかし、医療関連の誤情報の拡散を放置すれば、プラットフォームの存続を脅かすほどの重大な事態に発展する可能性がある。

フェイスブックは昨年から、ワクチン関連でミスリードをもたらす広告を禁止しているが、一部のプライベートなグループが医療関連の誤情報の温床となっている。

マーク・ザッカーバーグは以前から、フェイスブックが情報の真偽の審判役を務めるべきではないとの主張を繰り返しており、同社は基本的には、投稿や広告の削除を一切行わない。

編集=上田裕資

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