先日、1ドルの賃上げを発表した米マクドナルドだが、従業員の間ではさっそく不満の声が上がっている。今回、8,25ドルの最低賃金が適用されるのは米マクドナルド直営店で働く9万人。フランチャイズ店に勤務する75万人の従業員には適用されない。
このニュースの報道後、ファストフード労働者らは各地で反発の声を上げた。NYのマンハッタン五番街のマクドナルドの前で、地元のブログの取材に対し、ジョーレル・ウェアさん(33)はこう答えている。
「今回の賃上げは単なるまやかしに過ぎない。基本的に我々は15ドルを求めているし、労働組合だって必要だ。会社は十分稼いでいるんだから可能なはずだ。私は毎週200ドルを家賃に払っているが、週の賃金は210ドルだ」
シカゴ出身のジェシカ・デイビスさんは木曜にテレビ番組に出演し、次のように述べた。
「これじゃ家賃も払えないし、フードスタンプの暮らしからは抜け出せない」
4月15日には全米200都市で抗議デモが計画されている。最低賃金15ドルの実現に加え、労働組合の結成を呼びかけている。
「ヘイ、マクドナルド! 私も給料あげてよ」とツイートしたのは2人の子を持つファストフードで働く労働者。ツイッター上では#Fightfor15とのハッシュタグで、デモの参加を呼びかける動きも広まっている。
LAをベースにする活動家でマクドナルド従業員のエドガー・アノミノ氏は「俺の娘のためにも、もうちょっと考えてくれ」とツイートした。
今年2月、労働運動家らは長年の闘争の成果として、ウォルマートから前例の無い賃上げを勝ち取った。その恩恵に預かるのは50万人。130万人の全ウォルマート従業員の40%に相当する人々が、連邦の最低賃金を上回る賃金を獲得した。
ウォルマートの労働者組織、United for Respectは、彼らの同志であるマクドナルド従業員に向けた支援声明を発表した。
「マクドナルドがウォルマートと同様に、従業員の声に耳を傾け始めたことを嬉しく思います」と述べたのはダイアナ・ティゴンさん。彼女はテキサスのウォルマートのレジ係として、時給9.5ドルで働いている。
「ただし、今回の控えめな賃上げは、最初の一歩に過ぎません。現在の給与水準では依然として、家族を養うのに十分とは言えず、生活保護無しで暮らせるレベルでは無いのです。今や、かつて無いほどに我々の主張は世論に響き始めた。引き続き最低賃金15ドルと、正規雇用を求めて活動を継続していきます」
マクドナルドの新CEO、スティーブ・イースターブルック氏は水曜日の声明で、今回の賃上げが同社の従業員全体の10%にしか適用されないことを認めている。
「我々は引き続き、みなさんの役に立つ決定ができる機会を探っていきます」とスティーブ氏は述べていた。