映画「アイアンマン」のモデルにもなったマスクは、どのような人生観や仕事観を持っているのだろうか。彼の7つの名言から解き明かす。
起業家イーロン・マスク
マスクは、後の「ペイパル」となる「X.com」を1999年に創業。続いて、宇宙事業を手がける「スペースX」、電気自動車を製造販売する「テスラ」、「ソーラーシティ」を展開していく。2019年時点での総資産は、約236億ドルにのぼる。
1. 「世界に重大なインパクトをもたらしたいという思いが、仕事におけるモチベーションになる」
ペイパルでネット決済の仕組みを変え、スペースXでは民間企業として初めて宇宙ステーションへの物資輸送に成功。世界に大きなインパクトを与え続けるマスクを象徴する言葉だ。
2. 「大学生の時に、世界を変えることに携わりたいと思っていた。そして、今も」
マスクは、ペンシルバニア大学で経済学と物理学の学士号を取得。この頃から、インターネットや宇宙への関心が強かっという。スペースXでは、人類の火星移住を目標に掲げている。
3. 「会社を作ることは、ケーキを焼くようなもの。全ての材料を正しい割合で入れなければならない」
ケーキは、材料の分量をしっかり計測して焼く必要がある。少しでも割合を間違えると、味も見た目も目指したものには出来上がらない。会社の組織づくりにおいても、細心の注意を払って構成しなければ、事業を軌道に載せることは難しい。
4. 「一緒に働いている人を好きかどうかはとても大切だ。さもなければ、あなたの人生と仕事は、とても惨めなものになるだろう」
95年、弟のキンバル・マスクと「Zip2」を立ち上げたマスク。その後設立したペイパルの初期メンバーは「ペイパルマフィア」と呼ばれ、投資家ピーター・ティールや、「ユーチューブ」共同創業者チャド・ハーリーらが名を連ねる。
優秀で信頼できるメンバーを集めることができたことが、現在のマスクの成功を築いたとも言えるだろう。
5. 「毎週80時間から100時間くらい、がむしゃらに働くことで、成功する確率を高めることができる」
マスクは他の人が1年かかる仕事を、4カ月余りでやり遂げるように働くという。誰よりも効率良く働き、生産性を高めようとする姿から、ビジネスパーソンが学ぶ点も多いはずだ。
6. 「常によりよくする方法を考え、自分に問いかけ続けることが、唯一でありベストな方法だ」
マスクはZip2を3億ドル、X.comを15億ドルで売却後、その資金を次の新しい事業に充てた。環境破壊の進行を緩め、人類が火星に移住するためには何をすべきか。目標達成のために事業を展開するマスクから刺激を受ける起業家も多い。
7. 「根気強さはとても重要だ。諦めることを強いられない限り、あなたは諦めるべきではない」
08年は、金融危機に伴うテスラの破産危機や、スペースXのロケット「ファルコン1」の発射トラブルなどが続き、「人生最悪の年」だったと語っている。それでもマスクは、4000万ドルの調達を経て、10年にはIPOを実現させた。