従業員のエンゲージメントを回復させ、転職を防ぐ方法

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ポジティブなフィードバックの大切さ


この問題への簡単な解決策は、管理職やリーダーが、よりポジティブなフィードバックを与えることにエネルギーや関心を向けるよう、積極的な対策を講じることにあるかもしれない。アチーバーズの調査によると、従業員の82%は評価される機会が増えることを「強く」または「ある程度」望んでいた。また92%は、特定の行動を評価された後にはその行動を繰り返す可能性が高いと答え、90%は評価されることにより一生懸命働くやる気が出ると答えた。

これうした結果は全て、管理職がポジティブなフィードバックや評価を日々の仕事に取り入れるだけで、チームメンバーを仕事に集中させることが十分可能だということを示している。単に「ありがとう」と言うことや、従業員がうまくやり遂げた仕事を称賛することで、どれだけのものが得られるだろうか? 仕事に打ち込めない従業員が1人いるだけで会社にどれほどのコストが生じるかを考えれば、そうすることでたくさんのものが得られるかもしれない。

評価は職場の文化にも影響を与える。回答者の91%は、同僚を評価することで仕事での幸福度が増し、互いを大きく評価し合う文化のある企業は魅力が増すという考え方に「強く」あるいは「いくらか」賛同していた。

従業員のエンゲージメントを回復させる施策の中には、時間と資金が大きな障壁となるものもある。しかし、よりポジティブなコミュニケーションを図るだけならば、実行できないという言い訳はできない。部下の功績を認める行為は金がかからず、膨大な時間も必要ない一方で、大きな影響をもたらすことができる。

従業員はもちろん、功績に対して給料を受け取っているが、どのような仕事でも、従業員が求める非常に重要なことの一つは、敬意だ。従業員に敬意を表することで、人材獲得競争で自社を差別化できるだろう。

編集=遠藤宗生

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