「家飲み」だからできること。韓国人記者が説く『ワインと激辛』のマリアージュ

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アルバリーニョ、ピノ・グリージョ、グリュナー・フェルトリナー……焼肉にも


韓国の料理がワインにとってとりわけ「扱いにくい」のは、このように、食卓に並ぶ料理の風味がとてつもなく多様性にあふれているからだ。私の生まれた家でも、典型的な韓国料理となると食卓を覆い尽くすほどの惣菜の小皿が並ぶ。そのうちの少なくとも一皿はキムチの料理だ。


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このような状況では、さっぱりとした酸味の、幅広い用途を持った数種のワインが、料理の味わいを補う万能なワインとして最高の仕事をする。

1本のワインが全部の料理に合うことを期待せず、数本を用意する。あるいは、さっぱりした、ライトからミディアムなボディの赤、あるいは、いっそ白ワインならカバーする範囲は広い。アルバリーニョ、ピノ・グリージョ、グリュナー・フェルトリナー、サンジョヴェーゼ、フルナッシュ、バルベーラなどだ。

こってりとスパイスを使った料理に合わせるには、とにかくさっぱりとしたワインがいい。また、多様な食感と様々な食材との相性は、多目的なワインがいいだろう。例えば、ソーヴィニヨン・ブラン、ニュージーランド産のピノ・ノワールなどのワイン、ローヌ・ヴァレー産、またはプロバンス産のロゼ・ワインなどだ。韓国焼肉が好きな人は、新世界産メルロー、オーストラリア産のGSMブレンド、ポムロールなどを試してみるといい。実に驚きの取り合わせが体験できることだろう。

マスカット、ゲヴュルツトラミネールといった甘いワイン、香りの高い品種は、典型的な韓国料理にはお勧めできない。なぜなら韓国料理にとって「甘み」は一般的な味覚ではなく、飲み物で甘みが加わると、ピリッとした風味の品位が損なわれてしまうからだ。また香りの強いワインは、ピリ辛で、オーガニックで香辛料の効いた食事に、余計な甘味や過度にフルーティーな要素を誘発してしまう恐れがある。

上のように、韓国料理をワインで楽しもうとすることは「難問」でもある反面、たくさんの選択肢や可能性もある。うまく行ったときの驚きや喜びは大きいはずだ。唐辛子料理を楽しむ夜に、あえてワインを。ぜひとも選んでみてほしい。

翻訳=かわのひろこ 編集=石井節子

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