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2020.02.27 17:00

感染拡大でビデオ会議Zoomが株価上昇、ネトフリにも追い風

NPS_87 / Shutterstock.com

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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米国の株式相場は急落したが、この状況下で株価を大きく上昇させた企業が3社ある。ビデオ会議ソフトの「Zoom」と、ストリーミングの「ネットフリックス」、漂白剤メーカーの「クロロックス(Clorox)」だ。

ビデオ会議ソフトウェアを開発するZoomの株価は、今週に入り5%上昇し、26日には史上最高値の106.88ドルをつけた。Zoomは3月の初旬に決算発表を予定しており、投資家らは同社が、新型コロナが業績に与える影響の見通しを発表することを期待している。

ネットフリックスの株価は他の多くの企業と同様に25日に下落したが、26日朝には反発に転じ、4.8%上昇し、377ドル台を記録した後、堅調な推移となった。海外での会員数を大幅に伸ばしたネットフリックスの株価は、年初から15%以上のプラスとなっている。

家庭用品メーカーのクロロックスは、漂白剤やゴミ袋の製造を行う企業だが、同社の株価は先週末から2%上昇し、168ドルに達した。クロロックスの株価は、感染拡大の懸念が高まるなかで、今後も上昇しそうだ。

同社のCFOのKevin Jacobsenは、2月初めに投資家に対し、「今後の漂白剤の需要の高まりに備え、在庫レベルを引き上げている」と述べていた。

UBSの投資部門のMark Haefeleは、投資家らに対し、「家庭内の需要拡大の恩恵を受ける銘柄」を選ぶことを推奨した。「Eコマースやゲーム関連、フードデリバリー関連の企業は、検疫措置が拡大された場合に需要の拡大が見込める」と彼は話した。

投資会社Sarian Strategic PartnersのCEOで金融アドバイザーのGregory Sarianは「今回の株価の下落を招いたのは、人々の恐怖や不安だ」と指摘している。米国の株式市場は過去15ヶ月間の間、堅調な上昇を遂げており、投資家らは安心しきっていた。感染拡大の恐怖が突然高まり、投資家の心理は急速に冷え込んだと、彼は指摘した。

一部の医薬品メーカーの株価も、今週に入り急上昇した。バイオ医薬品大手のギリアド・サイエンシズ(Gilead Science)は今週、新型コロナの治療薬になると考えられる抗ウイルス薬の臨床試験を開始した。抗生物質の開発を手がけるノババックス(NVAX)も、ワクチン開発で進歩が見られたと発表し、市場の注目を集めた。

時価総額が940億ドル(約10兆円)に達するギリアドの株価は6.5%上昇した。ノババックスの時価総額は3億ドル足らずだが、株価は15%の急騰となった。

編集=上田裕資

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