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アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター

NiP STUDIO / Shutterstock.com

ユーチューブやTikTokなどの動画アプリのスムーズな動作を支えているのが、「HeadSpin」と呼ばれる企業のテクノロジーだ。同社の技術は、様々なネットの接続環境で発生する、動画のフリーズや再生の遅延を防止する。

HeadSpinは世間的にはほぼ無名の企業だが、先日の調達により、ユニコーンの仲間入りを果たした。同社は2月25日、シリーズCラウンドで6000万ドルを、デル・テクノロジー・キャピタルとIconiq Capitalの主導により調達したとアナウンスした。

HeadSpinの企業価値は前回のラウンドから2倍以上も上昇し、11億6000万ドル(約1300億円)に達した。

2015年創業のHeadSpinは連続起業家のManish LachwaniとBrien Colwellらが立ち上げた企業だ。二人は、ヤフー共同創業者のジェリー・ヤンの紹介で知り合い、事業を始動した。Lachwaniは、その1年前にグーグルにモバイル関連のクラウドビジネスを売却していた。Colwellは、ピーター・ティールが立ち上げたPalantirとQuoraでエンジニアとして勤務した後、Yコンビネータが支援するスタートアップに勤めていた。

HeadSpinはデジタルコンテンツを様々な環境下で、快適に楽しむためのソリューションを提供する。当初はモバイルアプリを対象としていたが、現在は大手通信キャリアやゲームコンソールメーカーとのプロジェクトも進めている。

同社は既に1000社以上の企業顧客を抱え、その中にはエアビーアンドビーやグーグル、マイクロソフト、TikTokらが含まれている。企業が払う費用は最大で、年間500万ドル程度だ。

「モバイルのエコシステムは、まだ未開の大地のような状況にある。データサイエンスのアプローチでユーザー体験を向上させていく」とLachwaniは話す。

HeadSpinは年間2倍のペースで売上を伸ばし、2020年の早期には年間経常収益(ARR)の1億ドル突破を見込んでいる。同社の取締役会の議長には先日、元ソフトバンクのニケシュ・アローラが就任した。HeadSpinの出資には、リンクトイン創業者のジェフ・ウェイナーも個人投資家として参加している。

アプリのパフォーマンス改善分野の競合としては、AppDynamicsやNew Relic、DataDogやSplunkがあげられるが、HeadSpinはモバイルに関する専門性の高さを売りとしている。

「アプリ関連のベンダーらの多くは、巨大すぎるデータの取り扱いに苦慮している」とHeadSpinのセールス主任のRajeev Butaniは話した。

HeadSpinが今後の巨大な収益源と考えるのが、5G通信のモバイルインフラの整備だ。同社のテスト機材はバックパックに格納できるほどの大きさで、調査担当者らはHeadSpinのロゴ付きの小型車両に乗って現場に駆けつける。

編集=上田裕資

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