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2020.02.29 12:00

NYの最旬レストラン「Mina’s」のシェフがアーティストから愛される理由

Mina’s(ミナズ)のミナ・ストーン


友人との談笑を終えた彼女が、今度は私たちが食事をとっていた席につき、このレストランのオープンのきっかけを教えてくれた。
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「MoMAから直接オファーがあったの。別館のMoMA PS1で、新しいレストランをやってみないかって。元々何人かMoMAの関係者に知り合いはいたけど、まさか自分がレストランをオープンすることになるなんて、思ってもみなかったわ」

MoMAは、NYのマンハッタンに位置する、この街のランドマーク的な近代美術館。00年からその別館という位置付けになったMoMA PS1は、使われなくなった公立小学校(PS1は、Public School 1の頭文字)をリノベーションした、現代美術を専門とした展示施設だ。

ここでは、無名の現代アーティストの作品も多く展示している。また、毎年夏には、庭園で「Warm Up」というDJイベントを20年間開催し続けている。
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近代美術史に名を残す巨匠たちの作品を多く所有し、世界中から観光客の集まるMoMAと比較すると、MoMA PS1は、若手アーティストたちの実験の場としての色が強い。

料理を通して自分を表現


ミナがここで提供するギリシャ料理には、NYで採れたオーガニック食材がふんだんに使用されており、素材の味を活かしたレシピの数々は、彼女の祖母、母親が幼い頃からミナに作ってきた料理がベースとなっている。


ナイフでカットすると、チーズと半熟卵がとろけ出る「Peinirli」(10ドル)も人気メニューひとつ。

白を基調とした明るい雰囲気の内装は、ミナの夫で同じくギリシャ人の親を持つ、ビジュアルアーティストのアレックス・イーグルトンが手がけた。

「私の料理のインスピレーションは、自分の生活そのもの。ギリシャにルーツを持つ家族、そして18歳から10年間生活しているNYという街からの影響もある。それに、これまでに多くのアーティストたちと仕事をしてきたから、自分自身を料理を通して表現することができていると思うわ」

2月21日から新たに始まったディナーでは、これまで提供してこなかったメニューの展開も始まった。

「毎週末ディナーを提供するようになるなんて、その忙しさを想像するだけで圧倒されそうだけど、お客さんたちの反応がすごく楽しみ。夜までオープンすることで、私が好きなワインも、もっとゆっくり楽しんでもらえるようになるしね」

観光地としてのNYの見所は、最新のレストランやバーも含め、多くがマンハッタンに集中している。ただ、NYの現代アートと食を同時に体感してみたいという人には、マンハッタンの中心地からメトロで15分のクイーンズまで、ミナの味を確かめにくることをお勧めしたい。



住所:22-25 Jackson Ave, Long Island City, NY 11101
電話:(1)718 440 4616
営業時間:12:00~18:00(月・木・日)、12:00~23:30(金・土)
定休日:火・水

文=守屋美佳 写真=Masaki Hori 取材協力:ニューヨーク市観光局

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