延期か中止か無観客試合か。五輪内定にも影響?揺らぐ日本のスポーツ界の判断

2月26日に撮影された国立競技場前 (GettyImages)


プロ野球開幕戦が開かれた東京ドーム
2019年3月にプロ野球の開幕戦が開かれた時の東京ドーム前(GettyImages)
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プロ野球は無観客、ラグビーなどは延期


3月20日にセ・パ両リーグの公式戦開幕を控えるプロ野球を巡っては、日本野球機構(NPB)が2月26日、臨時でプロ野球12球団代表者会議を行い、2月29日から3月15日まで全てのオープン戦72試合を無観客で開催することを決めた。それに先駆け、すでに巨人は2月29日と3月1日に東京ドームで行う予定のヤクルトとのオープン戦2試合を無観客で行うことを決定し、同様の措置を求めていた。

ラグビー・トップリーグは、観客、選手、関係者の健康面と安全面を第一に考慮し、今後3月8日までの約2週間、計16試合の延期を発表した。第7節は3月21、22日、第8節は5月2、3日に実施できるように調整中という。

バルケットボール男子のBリーグも、B1とB2の2月28日から3月11日までのリーグ戦全てを延期すると決断した。100試合以上計画されており「苦渋の決断」という。
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このほか、バレーボールのVリーグ男子は、2月29日のファイナルステージ決勝を無観客で行うことを発表した。さらに3月14、15日にも計2試合予定されているが、来月の状況を見て判断する。

卓球のTリーグは、今シーズン最後となる3月14日のプレーオフのファイナルを延期することを決めた。

オリンピック出場を左右する世界大会も未定


リーグ戦ではないが、バドミントンの世界大会の有無については、オリンピックの出場権にも関わり、選手たちの命運を分けることになりそうだ。4月28日付の世界ランキングで算出されたポイントにより、オリンピック出場への内定が決まるため、それまで激しい出場権争いが行われる。

日本バドミントン協会によると、すでに2月25日から3月1日に予定されていた「バドミントン陵水中国マスターズ2020」や3月24日から29日の「ベトナムインターナショナルチャレンジ2020」大会の延期が発表され、日本選手団を派遣しないことになった。このほか、3月から4月にかけては、日本代表にとって重要な「全英オープン」や「インドオープン」「マレーシアオープン」「シンガポールオープン」などが相次ぐ。現時点では開催予定であっても、日本選手団が入国拒否を受けないかといった懸念の声も挙がっている。

極め付けは、4月21~26日に、新型コロナウイルスの震源地となった武漢で「バドミントン・アジア選手権」が予定されていたことだ。オリンピックの出場を巡って世界ランキングに結果が反映される最後の大会のために、通常であれば熱が帯びる大会だ。

現時点では主催者から中止や延期などの連絡はないが、関係者は「アジアバドミントン連盟が主導して代替地を探しているが、まだ見つかっていないようだ。コロナウイルスの感染拡大が早く収束してほしい」と漏らす。

1月に遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれた桃田賢斗選手は、トップの選手の中でもオリンピック出場が有力視されているが、当落選上にいる選手にとっては、大会の時期によって大きく左右されるという。

そもそもオリンピックが開催されるのかという疑念も生まれ始めている。国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員はAP通信のインタビューに、東京オリンピックを開催するかどうかの判断の期限は5月下旬になると答えたためだ。またオリンピックに関しては「順延や開催地変更は難しい」とも述べた。日本の新型コロナウイルスの感染予防対策が、国際社会ではどのように受け止められているのか。オリンピック開催国としては、外からの視点に目を向けたい。

文=督あかり

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