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2020.03.19 21:00

3組に1組は離婚する時代。話し合って決める「婚前契約」のすすめ

PhotoAlto/Frederic Cirou/ Getty Images


婚前契約を結ばず痛い目を見たトランプ


では、「夫婦財産契約」とはどのようなものなのでしょうか。いくつかの決まりがあります。
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・必ず婚姻の届出前に結ばなくてはならない
・第三者に対しても効力を持たせるには、婚姻の届け出前に登記しなければならない(民法756条)
・届出後は、原則として内容を変更できない(民法758条)
・強行法規と公序良俗に反しない限り内容は自由だが、財産分野についてのみの取り決めとなる

夫婦間で交わした契約は、原則としていつでもどちらか一方の意思で取り消すことができます(民法754条)。そのため、夫婦になる前に契約を交わしておくことが重要です。

とはいえ、日本において「婚前契約」は一般的とは言い難い状況であるのも事実。「夫婦財産契約登記」の件数は、2009年で4件、2018年でも18件しかなされていません(e-Stat 18-00-67「種類別 夫婦財産契約の登記の件数(平成21年〜30年)」)。
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しかし、海外のセレブの間では、「婚前契約」はもはや当たり前です。一般的にアメリカでは全夫婦の約20%が、フランスでは約25%が、「夫婦財産契約」などの婚前契約を結んでいると言われています。

日本で「婚前契約」を結んでいると言われている夫婦に、神田うの夫妻の例があります。報道によれば、「どちらが離婚を切り出したら、慰謝料はいくら」といったように、細かく条件が定められており、さらには浮気発覚による離婚の場合には巨額の慰謝料を支払わなければならないといった定めがなされていると言われています。

アメリカのトランプ大統領も婚前契約を結んでいるとされる1人です。彼はこれまでに2回、離婚を経験していますが、1回目の離婚の際には婚前契約を結んでおらず、財産分与の金額は1800億円に達したとされています。この莫大な金額を分与した結果、自己破産申請を行う羽目になったとも伝えられています。

これで学んだトランプ大統領、その後、懲りずに2回目の離婚をするわけですが、財産分与は約2億5000万円の現金だけで済んだそうです。このときに役立ったと言われているのが「婚前契約」でした。

2005年に再婚した現在の妻であるメラニアさんとの間でも婚前契約を結んでいるとされ、慰謝料の対象資産は不動産に限定するという条件があると噂されています。

現在、日本ですでに上場も果たした創業経営者で、「本当は離婚したいけれども、自社株を渡すわけにはいかないから、離婚できない」と悩んでいる方も、ひょっとしたらいらっしゃるのではないでしょうか。

そうならないためにも、結婚前に、もしも離婚する場合には財産分与の対象から自社株を外す、その代わりに……といった内容で、婚前契約を結んでおくことを、上場をめざす起業家や経営者の方々は考えてもよいかもしれません。
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文=元榮太一郎

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