紹介したコスメ商品は完売、欠品が続出──「#敦子スメ」はなぜ、多くの女性の共感を集めるのか

フリーランスのPR・美容コラムニストの福本敦子


ここ数年で、インフルエンサーと呼ばれる存在は一般的となり、美容やコスメに関する情報を発信する人は急増した。そうした中、なぜ福本の情報は共感を集めるのか?

重要な要素となっているのが、キャッチーな言葉選びだろう。

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インスタグラムの投稿

福本の投稿を見てみると、「え、じゅうたんですか? ふわふわの。」や「どすこいっっっ」といった、キャッチーな言葉が一文目に書かれている。

「実際に使ったオーガニックコスメの使用感や効果など、自分が思ったことをそのまま言う。普通に表現しても面白くないから、こう言ったら面白くなるんじゃないかなど、自分が良いと思えるか、楽しいと思えるかどうかを考えています。だからこそ、多くの女性が私の情報を信頼し、共感してくれるのかもしれないです」

女性誌などに掲載されている美容情報やコスメ情報は画一的なもので、どこも似たり寄ったりだからこそ、画一的でない福本の言葉が響くのではないだろうか。そして実際に使ってみて良い効果が得られたら、信頼すべき情報源として福本を頼るようになる。

「だからこそ、商品PRの依頼も頂きますが、好きなもの以外は基本的にはやれないというか、そんなに器用でもないので、出来ないです。『お金がもらえるから』といった理由でただアップしているように見えるだけのものは面白みに欠ける気がするし、クリエイティブを制限されるのは嫌なんですよね。だから自分が使って良いと思ったものしか紹介しません」

発信する側も受け取る側も「面白い」ことが大切


販売員として培ったオーガニックコスメの知識と、PRとして培った情報発信のスキルを掛け合わせ、美容コラムニストとして独自の立ち位置を築いた福本。

彼女がインスタグラムのライブ配信でボディブラシを紹介したら、ネットで30分間70個以上売れたほか、昨秋apart by lowrysとコラボしたアクセサリーは30分経たないうちにWEB上で完売した。また昨年、出版した初の著書『今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本』(光文社)は発売前から重版が決まるほどの人気を見せた。

福本がインスタグラムを通じて発信した情報は、実経済にも影響を及ぼす。

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「インフルエンサーの多くは実売を気にしないという話を耳にしたりもしますが、私は接客業出身だし、人がどのくらい動いてくれたか、という結果は、とても実質的かつ人の心に響いた度合いを測るものとして面白いと思っています。

発信の仕方はそれぞれやり方があると思いますが、自分が発した情報と同じくらいの結果しか返ってこない。だからこそ、きちんと私の情報を求めている人たちのことを考えて、信頼に値する情報を提供する。常に何をどう与えたら面白いのかは考えています」

文=新國翔大 写真=小田駿一

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