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2015.04.06

中国のディズニーを目指す起業家 黄巧霊氏は資産12億ドル

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中国の“テーマパーク王”として知られるのが、宋城演芸グループ(杭州宋城演芸発展)を率いる黄巧霊氏(56)だ。2003年には早くもフォーブス・チャイナの表紙を飾っていた黄は2014年に中国の富豪番付の272位にランクイン。当時の資産総額は9億ドルと推定された。

杭州市を拠点とする宋城演芸は先日、動画共有サイト「6.cn」の未公開株を26億元(4億1800万ドル)で買収すると発表した。「自分のカメラで世界の娯楽を生み出そう」をモットーとする6.cnは、中国最大の動画共有サイトの一つだ。

黄は宋城演芸の株36.6%を所有する。その価値は、現在のレート(1株あたり40.08元)で換算すると75億元(12億ドル)に上る。

国内の観光市場の活性化により、2014年の宋城演芸の収益は前年比37.8%増の9億3,500万元(1億5,000万ドル)に達した。純利益は17%増の3億6,100万元(5,800万ドル)に及ぶ。

中国では、不動産王の王健林(Wang Jianil)氏の大連万達グループ(ダイレン・ワンダ・グループ)やディズニー社もテーマパーク事業に乗り出した。2016年には上海ディズニーランドのオープンも予定されている。

黄氏は1975年から80年まで軍に所属した後、アートの分野から自身のキャリアを築いた。浙江省の芸術系の企業に務めた後、83年から3年間は全国展開する書店チェーン、Lishui Xinhua Bookstoreの副代表を務めた。その後、1994年に宋城グループを設立。不動産業と観光産業に注力している。

黄が経営する宋城演芸は、全国にテーマパーク30カ所と10カ所のリゾート施設を所有。同社のホームページによると、同社の代表的な公演「ロマンティックショー」は、これまで1万6,000回上演され4,800万人が鑑賞したという。

中国は今月発表されたフォーブスの世界長者リストに213名を送り込んでいる。その数は米国人に次いで2番目に多い。

文=ラッセル・フランネリー(Forbes)/ 編集=上田裕資

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