長生きをリスクにしない。定年後のセカンドライフ設計は生命保険から考えろ

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保険の見直しに適したタイミングは、50代だ。これからの働き方について考え始める時期でもあり、60代や70代で新しく保険に入るケースに比べて、保険料負担が軽くて済む。保険は健康なうちでしか割安な保険料で入れないから、その点でもおすすめだ。

保険の種類については、生命保険の代表的なものには、「終身保険」「定期保険」「収入保障保険」の3つがある。たとえば老後資金として2000万円が不足するというなら、保険金額2000万円の「定期保険」が合理的だろう。

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チューリッヒ生命報道資料

前述の「老後2000万円問題」で言うところの2000万円は毎月の不足額5.5万円を積み上げた結果のため、1年経つごとに必要な額は減っていく計算だから、年々保障額が減っていくしくみの「収入保障保険」を利用する手もある。

「定期保険」「収入保障保険」といえば、以前は80歳までしか続けられないものがほとんどだったが、最近は90歳満期のものも登場してきていて、退職後の就労期間が長くなっても、ほぼほぼカバーできる。

なかには、病気やケガで働けなくなったときに、月給のように毎月保険金が受け取れる「就業不能保障」を付けられるものもある。自身の働き方に合わせて検討したい。

ちなみに、「終身保険」という選択肢もないわけではないが、保険金額2000万円というと、目が飛び出るような保険料になるので、あまり現実的ではない。

先日ひとりでフィナンシャルプランの相談に訪れた女性は、夫が12歳年上で、そのうえ男性と女性の平均寿命は6歳以上の差もあるわけだから、まだ小さな子どもも抱えている状況で、老後がとても心配とのことだった。

住宅購入や教育資金、保険などの検討をするなかで、夫の定期保険の加入を決め、「これで私自身の老後2000万円問題は解決ですね」と晴れやかな顔をして帰っていったのが印象的だった。保険のそんな使い方も有りなのだ。

連載:ニュースから見る“保険”の風
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文=竹下さくら

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