ストリーミング音源を「ライブ並みの迫力」に変える英国企業

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ソニーも「ライブ感」に注力


IRIS以外にも、録音された音楽からライブ感が味わえるような取り組みを行っている企業は存在する。例えば、ソニーは昨年末に立体音響技術「360 Reality Audio」を発表した。同社は、360 Reality Audioについて「没入感のある立体的な音場を実現する新たな音楽体験」と紹介しており、独自開発したアルゴリズムを用いている。

ファイルのフォーマットはMPEG-H 3D Audioに準拠にしており、全メーカーのスピーカー・システムに対応するが、効果をさらに高めるために、専用のヘッドホンとスピーカーのリリースを予定している。

しかし、対応している楽曲数は、ソニーが約1000曲であるのに対し、IRISのアプリとアクティブ・リスニング技術はあらゆる楽曲に使うことができる。

ソニー以外では、「ゼンハイザー(Sennheiser)」が自宅でライブ音楽を楽しめる3D音響技術「AMBEO」を搭載したサウンドバーを発売済みだ。また、「Waves」も、映画やテレビで立体音響が楽しめるスピーカー「3D Nx Speakers」を今年のCESで発表した。

オーディオ業界は、録音された音楽でもライブ音楽と同じような臨場感のある立体音響を楽しめる技術の開発を強化している。VR(仮想現実)コンサートもその流れであり、ライブ音楽を求める消費者の嗜好に応えようとするものだ。

編集=上田裕資

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