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「エッジコンピューティング」が新しいアプリを生む


5Gの規格においては、モバイル網のアンテナのすぐそばに、計算資源であるコンピュータと記憶資源であるストレージを置くことができるようになります。所謂モバイル網の端末に繋がるエッジ(端)部分に、何らかのコンピュータを置けるということです。サーバ・クライアントモデルと言われていたコンピュータ構成が、サーバ・エッジ・クライアントモデルという3階層になっていくのです。

このエッジコンピュータをどの程度の規模で置けるようになるかは、モバイルキャリアごとに異なると考えられます。一般的に言って、これまでスマートフォンやパーソナルコンピュータなどのクライアント端末からイントラネットやインターネットを経由して、遠くクラウド内のサーバに接続し、そこからデータを取り出したり、アプリケーションを稼働させたりといったことが必要でした。しかし、5Gでは、アプリケーション次第ではエッジコンピュータで動作させることが可能になるのです。

しかも、5Gの「広帯域」と「多端末接続」を活かして、各種センサーに代表されるIoT(インターネット・オブ・シングス)を膨大に束ね、さらに5Gの「超低遅延」を活用したこれまでにないアプリケーションが生まれてくると見ています。

そして、もう一歩進むと、エッジコンピュータとクライアント端末間の部分だけを、所謂「ローカル5G」として、公衆モバイル網とは独立させて活用することもできると予測されています。つまり、学校や企業や公官庁や倉庫といった建物内や、公園や遊園地やシアターやスポーツスタジアムといった施設内で「ローカル5G」どうしを繋いだり、「ローカル5G」と企業ネットワークを直接繋いだりといった新しいネットワークトポロジー(ネットワークの接続形態)が誕生します。

「ローカル5G」では、処理されるデータがオープンなインターネットへ流れていかない形でアプリケーションが実現されます。この特徴を活用すれば、プライバシーに配慮したい用途や、企業秘密にかかわる情報のやりとりなどが、ワイヤレス通信を用いて実現できることになります。セキュリティ関連業務の簡易化ばかりでなく、プライバシーなどの問題からこれまで実現できなかったセンシティブなユーザ画像や音声データを取り込んで解析することも可能に。地域や建物内の調査監視(サーベイランス)が実現しやすくなるでしょう。

文=茶谷公之

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