ビジネス

2020.02.25 08:00

ルイ・ヴィトン、ティファニー…… 世界最大のブランド帝国を築いた「10兆円の男」の教え

ベルナール・アルノー


LVMHを手中に収めると、アルノーはファッション、フレグランス、ジュエリー、腕時計、ワインや蒸留酒といった分野の欧州トップブランドを次々に買収していく。2011年には約50億ドルで伊ジュエリーブランドであるブルガリを買収。その2年後には、高級ウール製品ブランドのロロ・ピアーナを26億ドルで買収した。19年4月には、32億ドルかけてロンドン拠点のホテルグループ、ベルモンドを手に入れた。
advertisement

同グループが所有する絢爛たる資産には、ベネチアのチプリアーニホテルや豪華列車のオリエント・エクスプレス、ボツワナにある3軒の超高級サファリロッジなどがある。08年以降、LVMHが買収したブランドは21。現在のブランド数は75にのぼる。(中略)

24時間働くマイクロマネジメントCEO


アルノーの一日は、パリ左岸、7区にある17世紀の豪邸で、朝6時半に始まる。アルノーは毎朝、まずクラシック音楽を聴き、業界ニュースにざっと目を通し、家族やブランドのトップにテキストメッセージを送る。8時にはモンテーニュ通り22番地のオフィスに到着しており、遅いときは夜9時までそこで過ごす。ときおり仕事の手を休め、別室に備えたヤマハのグランドピアノを弾く。


advertisement

「24時間働いていますね」と、デルフィーヌ・アルノー(44)は言う。デルフィーヌはアルノーが最初の結婚でもうけた長女で、ルイ・ヴィトンのエグゼクティブ・バイスプレジデントを務める。「父は眠っているときでも、新しいアイデアの夢を見ていますよ」。

毎週土曜日、アルノーはグループのブティックに足を運び、バッグのディスプレイをいじったり、販売員に提案をしたりする。多いときには競合も含め、午前中だけで25店舗も回るという。

アルノーは、店舗巡りで気づいた細かい点をブランドのトップに伝える。80年からアルノーと働くルイ・ヴィトンのマイケル・バークCEOは言う。「この間も、新作のトートバッグ『オン・ザ・ゴー』が、ヴァンドーム広場店で在庫切れになっていたが、と連絡がありました」。(続きはフォーブス ジャパン2020年4月号でお読みいただけます)


なぜ、アルノーは、世界最大のブランド帝国を築き上げられたのか?そのほか、伝説的成功者5人の成功の原理・原則に迫る。フォーブス ジャパン2020年4月号は2月25日(火)発売!購入はこちらから。

Forbes JAPAN 2020年4月号

編集=Forbes JAPAN編集部

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事