銃所持の自由化や反中絶を訴える彼女はここ最近、保守派のセレブとして急浮上したが、左寄りの思想を持つ学生たちからは憎悪の対象とされている。
ベネットが最初にSNSで注目を集めたのは、2018年に撮った大学の卒業写真だった。ケント州立大学に在籍中から、銃所持の自由化を訴えた彼女は、銃規制を推進する大学に反発していた。
彼女は卒業の記念に、大学の正門で肩からAR-10ライフルをかけた写真を撮影し、ツイッターに投稿した。手に持った大学の帽子には「武器を取れ(Come and take it)」というメッセージが書かれていた。
保守派のインターネット著名人となった彼女は、トランプ支持者の間でアイドル的存在となった。トランプ政権は実際、彼女をホワイトハウスに招き、内部を見学させていた。
ベネットのユーチューブチャンネルLiberty Hangoutは現在、約42万人の登録者を集めている。彼女は大学のキャンパスなどで道行く人々にマイクを向け、銃規制や中絶に対する意見を聞いている。多くの場合、彼女は無視されるかバカにされるだけだが、動画の中にはツイッター上で700万回以上再生されたものもある。
「LGBTQの学生に配慮して、男性用トイレに生理用ナプキンを用意しておくことや、女性用トイレに男性用の小便器を設置することを、どう思いますか?」という彼女の奇妙な問いかけに、ある学生は「全く問題ない。ファンタスティックだね」と回答している。
ベネット自身は、彼女が世間から忌み嫌われていることを自覚しているようだ。「1つだけ言っておきたいのは、私は名声なんか欲しくないということ。左よりの連中が私の存在を否定すればするほど、私は有名になれる」と彼女は述べている。
ベネットがオハイオ州立大学を訪問した2月17日は、米国の初代大統領ジョージ・ワシントンと、第16代大統領のアブラハム・リンカーンらの誕生日を記念するプレジデント・デーだった。
彼女を乗せたトラックがキャンパスに到着すると、群れをなした学生らが取り囲み、絶叫しながら飲み物を車体にぶつけた。彼女はごく短時間で大学を後にしたが、「次にオハイオ州立大学に行く時は、銃愛好家の仲間たちを連れて、銃をむき出しにしてキャンパスを練り歩く」と宣言した。