「ヨーロッパでNO.1」を描く日本の発信拠点
ロンドンには外務省による日本の発信拠点「ジャパン・ハウス」があるが、欧州市場に展開したい企業にとって、なぜ菊池たちはミラノを薦めるのか。
「パリとロンドンはすでに日本文化について広く発信されていますが、ミラノはまだまだこれからなので、ビジネスの余地があります。そして私たちはミラノで終わるつもりもありません」と菊池は語る。
さらに「私たちは日本の発信拠点として、ヨーロッパでのNO.1を目指しています。政府や補助金に頼らず、民間1社でやることでリアルなビジネスを展開し、攻めていける場所でありたいと思っています」と菊池は将来への青写真を描く。
短期的にはパリやロンドンなどヨーロッパにある様々なショップや企業と連携し、クライアントのためにプロモーションの選択肢を増やしていく。長期的には、グローバルな拠点数を増やすことも視野に入れているという。
2020年には東京オリンピック開催されるため、日本へのインバウンド需要について注目されがちだが、牧は別の視点にも着目して目標を定めている。
「日本の魅力をどう発信するか、日本の製品をどう海外に出していくのか、アウトバウンドの視点も重要。インバウンドと両軸で、ヨーロッパでの日本への理解を高めていきたいですね。そして、首都圏だけでなく地方で頑張っている方々と手を組み、世界と勝負できるビジネスプラットフォームに成長したいです」
日本とイタリア。似て非なる2つの拠点を生かす「ビジネスプラットフォーム」としての欧州制覇への挑戦は、まだ始まったばかりだ。
TENOHA MILANOの外観。高感度な人が集う地区にある
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