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フォーブスジャパン編集部

「TENOHA MILANO」の現地スタッフと打ち合わせする菊池大樹代表(左)ら

イタリアのミラノで、日本文化の発信拠点として注目されている「TENOHA MILANO」。前編では、一般客で賑わうライフスタイルショップと日本食レストランについてレポートしたが、町家のように奥へと広がる複合施設内で続いて現れるのは、会員限定のコワーキングスペースとシェアオフィスだ。

現地代表の菊池大樹と日本オフィス代表の牧亮平はともに31歳と30歳。彼らは、施設運営を行いながら、日本の自治体や企業のプロモーションを支援する「ビジネスプラットフォーム」を仕掛けているというのだ。日本とイタリアを拠点とする2人の若手ビジネスリーダーが描く、事業の青写真とは──。

伊シェアオフィス事情。日系企業の入居を予想するも…


「もともと日系企業の現地法人に会員となっていただくようイメージして開設しましたが、予想以上に多国籍で多業種の人たちが集まってきました」と「TENOHA MILANO」の牧は明かす。

例えば、メルセデスベンツの子会社のカーシェアリング企業やフランスの食品企業のほか、ウェブデザイナー、コンサルタントや弁護士など、約200人が会員登録している。日系企業では、クックパッドなどが入居し、多彩な顔ぶれだ。

TENOHA MILANO
区切られた固定席のあるシェアオフィス。多国籍の企業が集まった

セキュリティで区切られたオフィススペースは、法人登記が可能。会議室も併設され、24時間利用できる。固定席であっても会費は1カ月3万円程度(250ユーロ)から、とお手頃な価格設定だ。背景には、この国のシェアオフィス事情がある。

イタリアでは、一般的にまだコワーキングスペースやシェアオフィスを利用する文化が根付いていないのだという。アメリカのシェアオフィス大手「WeWork」も、2019年12月に進出したばかり。「TENOHA MILANO」も、新たなワークスタイルを提案する場所として注目されているのだ。

スタバ進出も阻んでいた「バール」文化に変化


独自の「バール」文化があり、コーヒーチェーン大手スターバックスでさえ長年進出に二の足を踏んでいたイタリアだ。かつては、バールでサクッとエスプレッソを飲んで、カフェやレストランでもあまり長居をしない人が多かったと聞いている。だが、街中のカフェでは、おしゃべりをするのではなく、パソコンやゲームに夢中になっている若者の姿もよく見かけた。状況は徐々に変化しているようだ。

「TENOHA MILANO」では、朝9時から正午までの時間、レストランで会員向けに朝食のブリオッシュとコーヒーを無料で提供している。これが会員にも喜ばれているという。週末にはコワーキングスペースで、ジブリ映画を観る会を開いたりして、会員同士の交流も生まれている。

文=督あかり 写真=Christian Tartarello

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