返済不要の奨学金4000万円を日本の高校生に 破れた夢の再起動

2016年11月、Tazaki財団の説明会で参加者に留学支援の概要を説明する筆者


財団に込めた想い


財団の名前は私の苗字から「Tazaki財団」と名付けました。財団のロゴマークには、イギリスと日本を象徴する生き物を使うことを決め、イギリスでは勇気や力(権力)の象徴としてよく使われるライオン、日本を象徴するものに強さ、勇気、成功の象徴である鯉をモチーフにデザインしました。そして、英国の教育理念「自由と規律(Freedom and Discipline)」を掲げています。


Tazaki財団ロゴマーク

4000万円の返済不要の奨学金の理由


読者の皆さんは5年間の留学費用の約4000万円を、返済不要の奨学金としたことに驚かれたと思います。私がここまでの費用を支援することには、明確な理由があります。

私がパブリックスクールで学んでいた60年代は英国民であれば授業料が無料でしたが、現在では英国民も留学生も授業料を払うシステムに変わりました。私がパブリックスクールで学んでいた頃、周りの学友たちがお金の心配をせずに学校生活を過ごしていたことを心の底から羨ましく思っていて、お金の心配を抱えていたことで勉強に集中ができなかったこともありました。

だからこそ、そのような心配をすることなく英国で充実した学校生活を送り、勉強に集中することで世界最高峰の大学を目指してもらいたいことが理由です。

英国の学校では全寮制の環境の中で、集団生活を送りながらお互いに意見を言い合い、組織やチームワークのあり方を学ぶことが重要となります。全寮制のパブリックスクールや大学では、就寝中に寮長が各部屋を見回りに来て、生徒や学生が寮の中で生活をしているかを確認します。

もし就寝中に寮を抜け出していることがわかると、減点され進学ができなくなることもあるのです。それだけ集団生活を重んじているため、日本のようにアルバイトをして学費を稼ぎながら勉強をするという両立は物理的に無理なのです。

また、大学では勉強時間確保のため、長期休暇以外の期間にはアルバイトをする余裕は全くありません。留学生が世界最高峰の大学を目指すという目的の達成のために、学校で集団生活を送り、勉強に集中することができるようにしっかり支援することはTazaki財団の義務であると考えています。
次ページ > いよいよ選考開始

ForbesBrandVoice

人気記事