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米国の大手銀行モルガン・スタンレーは2月20日、米ネット証券大手の「Eトレード」を買収すると発表し、Eトレードの株価は25%の急騰となった。買収額は130億ドル(約1.4兆円)に及ぶという。

モルガンは伝統的な投資銀行だが、金融危機後は富裕層ビジネスに注力してきた。Eトレードの買収には、新たな顧客の取り込みや収益源の多様化の狙いがある。モルガンの株価は4%下落した。

米国のオンライン証券分野では統合化が相次いでいる。2019年11月にはネット証券最大手のチャールズ・シュワブが260億ドルで、同業のTDアメリトレードを買収すると発表した。

米国のフィンテック業界で近年、最も注目を集めるカテゴリの1つが、手数料無料の株取引を提供するオンライン証券企業だ。この分野を代表する米国のユニコーン「ロビンフッド」は昨年末に、アカウント開設数が1000万件を突破したと発表した。

ロビンフッドは2013年の設立以来、株式や仮想通貨の取引き手数料を無料にし、この分野のパイオニアの、Eトレードを上回る顧客を獲得した。これに続き、チャールズ・シュワブも2019年10月に手数料を無料にし、Eトレードはさらなる苦境に追い込まれていた。

Eトレードを傘下に収めるモルガンは、買収によって小口顧客を取り込み、金融アドバイザリー部門を強化する。モルガンの資産マネジメント部門の売上は2010年に全体の26%だったが、2019年には51%を占めるまでに成長していた。

買収によりモルガンは、Eトレードの520万人の顧客と3600億ドルの資産を取り込むことになる。買収以前のモルガンの資産運用額は2.7兆ドルで、その大半は大企業や富裕層顧客のものだった。

金融リサーチ企業Vital KnowledgeはモルガンによるEトレードの買収を、理にかなった動きであると評価した。

Bankrateのアナリストは「モルガンはEトレードの買収により、新たな顧客を取り込める。ゴールドマン・サックスがリテール(個人向け)融資部門のマーカスを設立し、シュワブがTDアメリを買収して規模を拡大したように、金融サービスの未来はマス向けの市場にある」と分析した。

編集=上田裕資

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