C・ロナウド、「CR7」をブランド化した背番号7の軌跡


2018年夏、ロナウドがレアル・マドリードから加入すると、クアドラードは、それまでユベントスでつけてきた背番号7を譲ることを快諾した。ロナウドの加入を受けて、クアドラードは自らのインスタグラム・アカウントにこんなコメントを投稿した。「受け取るより、与えるほうが気分がいいものだよ! この新しい冒険に挑むクリスティアーノに幸多かれと祈っている」

さらにクアドラードは、ツイッターのフォロワーに向けて、次の背番号は何番がいいかと問いかけた。アンケートの結果、一番人気の番号は16番だった。というわけでこの年以降、31歳になった今に至るまで、同選手はこの番号をつけ続けている。

ユベントスではロナウドの前にも、ハサン・サリハミジッチ、ジャンルカ・ペッソット、アンジェロ・ディ・リービオなどの偉大な選手が背番号7をつけていた。さらにフランス代表で1998年に世界王者となったディディエ・デシャンも、ユベントス在籍時に背負った番号だ。

「ユベントスのナンバーセブン・クラブ」にはほかにも、アンドレアス・メラー、マルコ・タルデッリ、パオロ・ディ・カーニオ、アントニオ・コンテ、そしてジャンカルロ・マロッキといった選手が名を連ねる。その誰もが偉大な選手だが、ユベントスの背番号7をまとったなかで、最も偉大な選手として記憶されることはなさそうだ。

代表チームに目を移すと、2004年のUEFA欧州選手権でポルトガル代表に選出された当初、ロナウドの背番号は17番だった。当時は7番と言えば、代表チームの中心選手として君臨していたルイス・フィーゴの番号だった。だがフィーゴが代表を引退すると、ロナウドがこの番号を受け継いだ。フィーゴも間違いなく記憶に刻まれるレジェンドだが、ロナウドはポルトガル代表の背番号7番を、全く新しいレベルへと引き上げた。

その最大の成果は、主将として臨んだ2016年のUEFA欧州選手権で、ポルトガルを優勝へと導いたことだ。決勝では母国での優勝をめざすフランスを、彼らのホームグラウンドのスタッド・ドゥ・フランスで1-0と破り、栄冠をつかんだ。優勝トロフィーを掲げるロナウドの背中にあったのは……もちろん、背番号7だ。

ロナウドの背番号7へのこだわりは、世界中で昔から伝わる「ラッキーセブン」の験担ぎにすぎないと言う者もいるだろう。だがひょっとすると、ロナウドは次に生まれる我が子に、ポルトガル語で7を意味する「セッチ(Sete)」という名をつけるかもしれない。仮にそうしたとして、ロナウドを非難できる人がいるだろうか?

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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