アップルが新たにリリースするデバイスは、AirTagと呼ばれる小型の忘れ物防止タグだ。類似した製品としては、米国のTile社などが販売中の、自宅の鍵や財布に紐付けて、紛失した際に位置を通知したり、アラームを鳴らしてくれる小型のスマートタグがある。
AirTagは、iOS 13の新アプリ「Find My」(「友達を探す」と「iPhoneを探す」などを統合したもの)と連動し、鍵などのアイテムを探すものになると予想されている。ただし、アップルは独自の仕様で、他社にはない洗練された動作を可能にする。
最新バージョンのiPhoneにはU1チップが搭載されているが、このチップには数センチの誤差で位置情報を検出できるUWB(Ultra Wide Band)が搭載されており、探しているアイテムをAR(拡張現実)機能で、画面に表示することが予想される。
さらにiOS 13には、別のiPhoneユーザーがタグに近づいたときにデータを取得する機能がある。これにより、アイテムから遠く離れた位置にいても、忘れ物がある位置をシステム経由で把握することが可能になる。
iOSのコード内にAirTagの記述があることは、昨年10月に9to5Macの記者が確認していた。そして、先日は著名アナリストのミンチー・クオが顧客向け資料で、UWBコンポーネントの本格的な生産が、4月以降に始まると予測した。
クオは、AirTagがAR機能と連動し、離れた場所にあるアイテムをサーチ可能にすると述べた。彼はまた、このデバイスの出荷台数が年内に1千万台に達すると予測した。
4月以降に生産開始であれば、発売は9月になると予想できる。ただし、アップルは新たなカテゴリのデバイスを発表する場合、数カ月前にアナウンスするケースも多い。
初代iPhoneは2007年1月に発表され、6月に発売された。初代iPadの発表は2010年1月で、その3カ月後に発売された。アップルウォッチは2014年9月に発表され、翌年の春に発売された。
アップルは3月に新型iPhoneの発表を行う見通しで、その際にAirTagもお披露目されるのかもしれない。もしくは6月のWWDCという線もあるだろう。しかし、筆者個人は、アップルがこのデバイスをなるべく早めにアナウンスすると考えている。
9月の発売を前提とした場合、AirTagの発表が3月になることは十分想定可能だ。